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古今集巻第十七 雑歌上 867番

題しらず
よみ人しらず
紫のひともとゆゑにむさし野の草はみながらあはれとぞ見る

題知らず
詠み人知らず
紫の一本故に武蔵野の草は皆がらあはれとぞ見る

紫草の一本がそこにあるから、武蔵野の草は全てが素晴らしいと思う

「皆がら」は、ことごとく、残らずすべて、の意味です。

雑歌だと言うことで、解釈がしにくいです。恋の歌なら、その女性一人が好きだと、女性の持ち物や住処、縁者など、全てが愛おしく思えると言うことになります。雑歌なので、その友人がいるので「ゆゑ」あるもの全てが大切である、と考えれば良いのかもしれません。ただ、紫草一本となると相手は女性と考えたくなります。一方で、紫色は官位の高い人が使う色なので、当時は男性の印象でも不自然ではないのかもしれません。

#古今集 , #雑歌上 , #紫草 , #武蔵野


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