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古今集巻第十五 恋歌五 825番

題しらず

よみ人しらず

わすらるる身をうぢ橋の中絶えて人もかよはぬ年ぞへにける
又は、こなたかなたに人もかよはず

題知らず
詠み人知らず
忘れられてしまったこの身を憂い、まるで宇治橋の真ん中が壊れて誰も通らないように、仲が絶えて、あの人がやって来ない年月を経てしまった
又は、まるで宇治橋の真ん中が壊れてこっちからもあっちからも人が通らないように

宇治橋の「う」は、憂いの「う」に掛かっています。
「中絶えて」は、橋の真ん中が壊れた意味と、相手との仲が壊れた意味とを掛けています。
「人もかよはぬ」は、あの人がやって来ないことと、橋を誰も渡らないことを掛けています。
「又は」以下は下の句の別伝です。
男性を待つ女性の歌です。

#古今集 , #恋歌五 , #宇治橋 , #仲絶え

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