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古今集巻第十七 雑歌上 921番

からことといふ所にてよめる
真せいほふし
都までひびきかよへるからことは波のをすげて風ぞひきける

唐琴と言ふ所にて詠める
真静法師
都まで響き通へる唐琴は波の緒挿げて風ぞ弾きける

唐琴と言う所で詠んだ歌
真静法師
都にまでその名前が響いている唐琴は、波を弦に張って風が弾いている

唐琴という地名に寄せて、詠んだ歌です。唐から渡来したとても美しい琴は、きっと波の白い筋を束ねて緒(ひも、ここでは弦)にしたもので、それを風が弾いているから、都にもその名が聞こえるのだろう、という意味です。
唐琴は、岡山県倉敷市児島唐琴町。
真静法師は、800年代の人らしいですが、詳しいことはわかりません。
唐(から、漢、韓とも書く)という表現ですが、始めは中国の唐などから入ってきた当時の日本になかった外国の高価な良いものを指しましたが、だんだんと「日本になかった外国の」の意味が薄れていき、単に「高価な良いもの」になり、さらにはただの名前になっていきます。

#古今集 , #雑歌上 , #真静法師 , #唐琴

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