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古今集巻第十五 恋歌五 806番

題しらず

よみ人しらず

身をうしと思ふに消えぬものなればかくてもへぬる世にこそありけれ

題知らず
詠み人知らず
我が身は悲しいものだと思うのに、消えてしまうことがないものなので、こうして時を過ごす実らない恋なのである

「身を憂しと思ふに、消えぬ物なれば、斯くても経ぬる世にこそ有りけれ」

「消える」は、死ぬことです。
「世」は、世間、または恋です。
恋がうまく行かずに、残念な自分だとふさぎ込んで、死んでしまえればよいのにと思うけれど、こうして生きて時を過ごす、そういう悲しい世の中の恋であるのだなあ、という歌です。

#古今集 , #恋歌五 , #世

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