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古今集巻第十二 恋歌二 559番

寛平御時きさいの宮の歌合のうた

藤原としゆきの朝臣

住の江の岸による波よるさへやゆめのかよひぢひとめよくらむ


宇多天皇の御時の皇太后班子女王の歌合わせの歌
藤原敏行朝臣
住の江の岸に波が寄る夜でさえ、夢の中の通い路であなたは人目をさけて来てくれないのですか

 女性の立場での歌だと思います。始めの二句は夜を言うための序詞です。「ひとめよくらむ」は「人目避くらむ(人目を避けるのだろう)」の意味。
直前の558番の歌では男性の立場で「夢の直路はうつつならなむ(夢の路が現実であればよいのに)」と歌っていて対になっています。
 この歌は百人一首にも取られていますし、一字決まりでもあるので有名です。

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