題しらず
よみ人しらず
あひ見ずは恋しきこともなからましおとにぞ人をきくべかりける
題知らず
詠み人知らず
逢うことがなかったならおそらくは恋しいことはないだろう、噂にあの人を聞いてだけにしておくべきであった
実際に逢わなければこんなに恋しく苦しいこともなかっただろう、噂にだけあの人のことを聞いておけば良かった、という歌です。
「なからまし」と仮想で言っているので、現実には逢ったことで今は恋しくてたまらないということです。
「音に人を聞く」は、噂話としてその人のことを耳にする、ということです。
#古今集 , #恋歌四 , #音に聞く