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古今集 巻第七 賀歌 349番

ほりかはのおほいまうちぎみの四十(よそぢ)の賀、九条の家にてしける時によめる

在原業平朝臣

さくらばなちりかひくもれ老いらくのこむといふなる道まかふがに

堀川の太政大臣の四十歳の祝賀を九条の別邸でした時に詠んだ歌
在原業平朝臣
桜の花よ、散って空をかき曇らせろ、老いらくが来るという道がわからなくなるように

 堀川の太政大臣は藤原基経のことで、貞観十七年の春に四十の賀が開かれました。祝賀の歌なのに、散る、曇る、老いと縁起悪い言葉を並べて、最後にそんなものは来るなとまとめています。きわどい歌ですが、元皇族の業平だからできたのかもしれません。
 この歌は伊勢物語にも四十の賀として載せられています。短いので全文を載せます。

昔、堀河の大臣むかし、堀河のおほいまうちぎみと申す、いまそがりけり。四十の賀、九条の家にてせられける日、中将なりけるおきな、
 桜花散りかひ曇れ老いらくの来むといふなる道まがふがに

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