見出し画像

古今集巻第十八 雑歌下 999番

寛平御時、歌たてまつりけるついでに、たてまつりける
藤原かちをむ
人しれず思ふ心は春霞たちいでて君が目にも見えなむ

寛平御時、歌奉りける序に、奉りける
藤原勝臣
人知れず思ふ心は春霞立ち出でて君が目にも見えなむ

宇多天皇の寛平の御時に、和歌を献上する時に、自分も奉った歌
藤原勝臣
人知れずお慕いする私の心が春霞のように立ち登って、帝のお目にも留まってほしいものだ

「春霞」は、「立ち」に掛かる枕詞。
朝廷の役職は人数が限られていますから、位階があっても官職に任命されないことも多かったようです。定期的に新たな官職が発表される正月(春)に向けて、歌を献上するなど活動をするようです。

#古今集 , #雑歌下 , #藤原勝臣 , #寛平 , #春霞

いいなと思ったら応援しよう!

ちのみゆき
応援してやろうということで、お気持ちをいただければ嬉しいです。もっと勉強したり、調べたりする糧にしたいと思います。