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古今集巻第八 離別歌 368番

をののちふるがみちのくのすけにまかりける時に、母のよめる

たらちねのおやのまもりとあひそふる心ばかりはせきなとどめそ

小野千古が陸奥の介になって赴任する時に、母が詠んだ歌
垂乳根の母親の、見守りとして相添って行く心だけは関所は留めずに通してください

 介は国司の副官。垂乳根は母にかかる枕詞です。「せきなとどめそ」は「関な留めそ」で「な…そ」は、しないでくれという禁止の意味です。京都から陸奥までは、通る道にもよりますが逢坂の関、不破の関や鈴鹿の関、足柄の関、勿来の関などなど沢山の関所がありました。勿来の関の名前の由来も「な来そ」で「来ないでくれ」という説もあるそうです。当時、東北は蝦夷の国なので、こっちに攻め入ってこないでくれという意味なのでしょう。

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