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古今集巻第十五 恋歌五 754番

題しらず

よみ人しらず

花がたみめならぶ人のあまたあれば忘られぬらむかずならぬ身は

題知らず
詠み人知らず
花籠に入っている多くの花のように、あの人にとっては見比べる女性が沢山いるので、忘れられてしまうでしょう、わたしは数に入らない取るに足りない身なので

「花がたみ」は花籠とか花筐と書きます。花を入れるかごです。次の「め」にかかる枕詞です。花籠の編み目。
「めならぶ(目並ぶ)」は、目の前に並べて見比べること。
「忘られぬらむ」は、「忘る」の未然形「忘ら」+受身の助動詞「る」の未然形「れ」+完了の助動詞「ぬ」の終止形+推量の助動詞「らむ」の終止形で、「忘れられてしまうだろう」の意味。
「かずならぬ身」は、数に入らない身、取るに足りないこのわたし、低い身分のことです。

#古今集 , #恋歌五 , #花筐 , #かずならぬ身

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