古今集巻第十五 恋歌五 751番
題しらず
もとかた
久方のあまつそらにもすまなくに人はよそにぞ思ふべらなる
題知らず
在原元方
はるかな天の空に住んでいるわけでもないのに、あの人はわたしを遠い人と思うようだ
「久方の天つ空にも住まなくに人は余所にぞ思ふべらなる」
「久方の」は「あま」にかかる枕詞です。遠く遥かな空です。
「あまつそら」の「つ」は所属や位置を表す格助詞で現代の「の」にあたります。「まつげ」は目の毛のこと、「たなばたつめ」は七夕の女(姫)のこと。
「よそに思ふ」の「よそ(余所)」は、離れた所や他人のこと。京都だけかもしれませんが今も使います。知らない人や他人を「よその人」、かしこまった服装を「よそ行き」の服など。
まるでわたしが別世界にでも住んでいるかのように、あの人はわたしを他人扱いして冷たい、と嘆いています。
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