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古今集巻第八 離別歌 387番

源のさねが筑紫へゆあみむとてまかりけるに、山崎にてわかれ惜しみける所にてよめる

しろめ

いのちだに心にかなふものならばなにか別れのかなしからまし

源実が筑紫へ湯治しようと行く時に、山崎の津の別れを惜しんだ場所て詠んだ歌
白女
命だけでも心の想う通りになるものであったら、どうして別れが悲しいでしょうか

あなたが湯治を終えて帰ってきたときに、まだ自分は命を長らえて元気であるのなら、今は分かれてもまた会えるけれども、それはわからないからもう会えないかもしれない、それが悲しい、という歌です。

 「ゆあみむ」は「湯」+「あみ」は動詞「あむ(浴む)」の連用形+助動詞「む」(意思)で、直訳すると、お湯を浴びよう、です。
 山崎は京の南西の淀川の港で、ここから富根に乗って筑紫へ行きます。なのでお見送りの人とは山崎の津で別れます。
 白女は誰かわからないそうですが、名前からすると白拍子など身分の高くない女性な気がします。

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