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今年の拙宅のクリスマス絵本15冊

クロケット・ジョンソン『はろるどのクリスマス』(Crockett JOHNSON, Harold at the North Pole [1957])小宮由訳、文化出版局、2011。
子が0歳のときに、おそらく最初に接したクリスマス絵本。一昨年に購入したもの。

エリック・ヒル『コロちゃんのクリスマス』(Eric HILL, Spot's First Christmas [1983])松川真弓訳、評論社《絵本の部屋・しかけ絵本の本棚》、1984。
同じく一昨年に購入したもの。

ヴィクトル・リュードベリ(ハラルド・ヴィーベリ絵)『トムテ』(Viktor RYDBERG + Harald WIBERG, Tomten [1960])山内(やまのうち)清子訳、偕成社、1979。
クリスマス関連の語はいっさい出てこないが、スウェーデンではクリスマスイヴには座敷童ならぬ「仕事場爺」トムテ(トムテン)に供えものをするというので、これはクリスマス絵本とされている。この伝承をもとにリュードベリが1882年に書いた詩があり、それに絵をつけたもの。
なお、同じコンビで『クリスマス・トムテン スウェーデンのサンタクロース』(Lille Viggs Äventyr på Julafton、岡本浜江訳、佑学社、1982)という絵本もある。また後述『みまわりこびと』も参照のこと。

アリア・ゾーベル=ノーラン(マルタ・アルバレス・ミゲンズ絵)『はじめてのクリスマス Special Edition』(Allia ZOBEL-NOLAN + Marta ÁLVAREZ MIGUÉNS, The First Christmas)CS成長センター訳、いのちのことば社。
2002年に訳が出た絵本の、絵を変えたものらしい。昨年、子が通うプロテスタント系保育園のクリスマス会でいただいたもの。

マレーク・ヴェロニカ『サンタクロースとぎんのくま』(MARÉK Veronika, Télapó és Ezüstmackó [2002])みやこうせい訳、福音館書店、2007。
マレーク(ハンガリーでは姓が先)は僕の心の支えとなっている『ラチとらいおん』のグラフィックデザイナー。みやこうせいは東欧通の写真家でジャーナリスト。

ロバート・バリー『おおきいツリー ちいさいツリー』(Robert BARRY, Mr. Willowby's Christmas Tree [1963])光吉夏弥訳、大日本図書、2000。
民話的漸増法の逆ヴァージョンがおもしろい。

キャシー・ハプカ(ハンス・アウグスト・レイ+マーグレット・レイ原作、メアリ・オキーフ・ヤング絵)『メリークリスマス おさるのジョージ』(Cathy HAPKA + Mary O'KEEFE YOUNG, Margret and H. A. REY's Merry Christmas Curious George [2006])福本友美子訳、岩波書店、2007。
H・A・レイ+マーグレット・レイの《ひとまねこざる》は作者の死後、H・A・レイ調の絵で複数のアーティストの手によって《おさるのジョージ》シリーズとして継承された。そのうちの1点。オリジナルの《ひとまねこざる》に比べると僕個人はこの公式(?)続篇にさほどの興味はないが、子のかかりつけ医の診察室ではアニメの『おさるのジョージ』か『アンパンマン』をやっている(ちなみに待合室では『不思議の国のアリス』『ファンタジア』やミッキーマウスものの短篇などのクラシックなディズニーアニメ)こともあってジョージに親しみがあるので、家に置いてみた。

フランソワーズ・セニョボ『まりーちゃんのくりすます』(Françoise SEIGNOBOSC, Noël for Jeanne-Marie [1953])与田準一訳、岩波書店《岩波の子どもの本》、1975。
不勉強にして作者のことをよく知らないのだが、フランスの人でありながら英語圏でのほうが知名度が高いらしく、この本も英訳からの重訳かと思ったがそもそもフランス語版が見当たらない。ちなみにこのシリーズのヒロインはマリーではなくジャンヌ=マリーだが複合名はわかりにくいと判断したのか日本語訳ではマリー(まりー)にされてしまっている。大雑把にもほどがある。

アストリッド・リンドグレーン(キティ・クロウザー絵)『みまわりこびと』(Astrid LINDGREN + Kitty CROWTHER, Tomten är Vaken [2012])伏見操訳、講談社《講談社の翻訳絵本》、2014。
前出『トムテ』の絵本が出た1960年、そのリュードベリの詩を『長くつ下のピッピ』や『やかまし村の子どもたち』などで知られるリンドグレーンがいわば「カヴァー」(それとも「リミックス」?)した。それに新たに絵をつけたのがこれ。

ジョン・バーニンガム『クリスマスのおくりもの』(John BURNINGHAM, Harvey Slumfenburger's Christmas Present [1993])長田弘訳、ほるぷ出版、1993。
バーニンガムの絵本はおととし知人に1冊もらったのがきっかけでどんどんハマっていった。癖になる笑い。

ジュディス・カー『モグのクリスマス』(Judith KERR, Mog's Christmas [1976])三原泉訳、あすなろ書房、2007。
《モグ》シリーズはドロシー・バトラーが薦めていたので入手。いかにも1970年代中盤らしい絵柄。

伊東三郎再話(堀内誠一絵)『くろうまブランキー』(1958)福音館書店《こどものとも傑作集》、1967。
セレスタン・フレネ唱導による「現代学校運動」のなかから生まれた共同創作を原案とする絵本。堀内誠一の最初期の絵本でもある(25歳のときの作品らしい)。

パット・ハッチンス『ぎんいろのクリスマスツリー』(Pat HUTCHINS, The Silver Christmas Tree [1974])渡辺茂男訳、偕成社《世界の新しい絵本》第10巻、1976。
子は10か月のころ、ハッチンスの『ロージーのおさんぽ』(偕成社)を読むときに〈パッチン〉と言っていた。

五味太郎『もみのきそのみをかざりなさい』リブロポート、1981。
声に出して読むだけで、ものすごく心が静まる本。驚くほどの効果がある。ただし1箇所ものすごく笑ってしまう頁があるので、十全な効果は再読時から。のち文化出版局から復刊した。

ローズマリー・ウェルズ『モリスのまほうのふくろ』(Rosemary WELLS, Morris's Disappearing Bag [1975])大庭みな子訳、文化出版局《ミセスこどもの本》、1977。
あの大庭みな子に絵本の翻訳があったとは知らなかった。それよりこの絵である。上述『モグのクリスマス』もそうだが、この本もいかにも1970年代中盤というか、正直言うとその当時のファンシーグッズにありそうな画風で驚いた。おそらくは話が逆で、ファンシーグッズのデザイナーたちが欧米の同時代の絵本から学んだのかもしれない。

(2019年12月25日10:42追記)クリスマスイヴまでに5点追加されました。


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