ばらの花

思えば遠距離恋愛がはじまってから5ヶ月。

大学で出会い、付き合い、かれこれ4年以上。
こっちはこれまで付き合った人数は1人。
むこうは0人。
お互いになにもわからず探り探りやってきたがなかなか上手くやってこれたな、と思う。

お互いの就職先が次第に明確になるにつれて、はじめはずっと一緒にいたい、と思っていた気持ちも、次第に「現実見ないとなー。」と思うようになる。
だけれども、結局お互い何も言い出せないまま遠距離恋愛のスタート。
お互いに正直な気持ちを上手く話せないまま空港で別れを告げた。普段はお互い泣かないけど、あの時だけは涙が止まらなかった。

おそらく遠距離恋愛経験者の八割はこんな流れを経験しているだろな、とこれを書きながら思う。

最近、くるりを聴くようになった。
同世代の友人は名前を聞いたことがあるくらいという人も多い。かくいう私も中学生のころに姉から教えてもらうまで知らなかった。
そんなくるりの「ばらの花」。
歌詞の意味なんてわからないまま聴いていたこの曲を柄にもなく自分と重ねて聴いてしまう。

僕らお互い弱虫すぎて
踏み込めないまま 朝を迎える

ああ。お互いに何も言えず仕舞いだったな。
最後くらい感情を表に出して話ができると思っていたけど、そうもいかなかった。
不完全燃焼のままはじまった遠距離恋愛。果たしてどうなるのやら。なんだかんだ5ヶ月たったけど正直このまま続けていく自信はなくなる一方だ。

最終バス乗り過ごして
もう君に会えない
あんなに近づいたのに
遠くなっていく

4年という長い時間一緒に過ごしたけどもういまは会えない。はじめは悲しかったけど次第に現状に慣れつつもある。愛がなくなったわけではないのだけれども。

安心な僕らは旅に出ようぜ
思い切り泣いたり笑ったりしようぜ

ばらの花の歌詞の最後はこう締めくくる。
「安心」なんてどこにもありはしないのに。
けれど自分に言い聞かせているのだと思う。
先の見えない自分たちの未来。不安があるのは当たり前。どうなるかわからないけども。