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北海盆唄

ハァ~○○○○見たさに*ハァ ドウシタ ドシタ
○○○○にコリャ来たらヨ
*ハァソレカラドシタ
今日もナ 今日も会えたヨ
ソレサナ 皆で○○ようヨ
*ハ エンヤーコラヤット ドッコイ ジャンジャン コラヤット

ハァ~あねこ小便すりゃ
鳩ポッポがコリャ覗くヨ
*ハァ サッサト イレロ
覗くナ 覗くはずだヨ
スリサナ 豆があるヨ
*ハ エンヤー モッチャゲロ
ドッコイジャンジャン ツイテコイ

ハァ~姉が豆なら
妹はコリャ毛長ヨ
親父ゃナ 親父ゃはんむくれて
スリサナ 嬶抱けヨ

ハァ~おばば小便すりゃ
狐がコリャ覗くヨ
覗くナ 覗くはずだヨ
スリサナ 古穴だ

ハァ~破れ褌
将棋のコリャ駒だヨ
かく とナ かく と思えば
スリサナ 金が出るヨ

「北海炭坑節」、「北海盆踊り唄」、「北海道盆踊り唄」、「炭坑盆踊り」は、かつて 「ベッチョ踊り」とか「チャンコ節(チョンコ節)」と称される唄から「北海盆唄」に 統一されるまでの名称であって昭和四十年代後半以降はすべて「北海盆唄」で呼称されるようになった。

三笠市の炭坑で踊られていた「ベッチョ踊り」にうたわれていたもの を「北海炭坑節」、「炭坑盆踊り」としてレコード化され、これらの唄をもとに伊藤かづ子、三橋美智也が「北海盆唄」というタイトルにして世に出したものである。

ベッチョというのは方言で、①はだかの幼児(富山)、②女陰(宮城、福島、山形、 長野、新潟、埼玉、東京、神奈川、岐阜、大分)などで広く用いられている···天保頃の江戸のはやり唄に『新保広大寺はお市がべっちょうなめたとさ」と云ふ。···大勢としては「ベッチョ」すなわち女陰を指す語になり、この語に「する」という動詞をつけると「交接」、「交合」するということになる。方言を理解すると卑猥な語句として捉らえられ現代感覚としては受け入れられにくいものになる。 「ベッチョ」と同じ意味の方言に「チョンコ」「チャンコ」などがあり、明治十年 (一八七七)頃北九州の炭坑で「筑前チョンコ節」が流行···

開拓期より北海道に持ち込まれた「チョンコ節(チャンコ節)」、「ベッチョ踊り」は敗戦後、今井篁山らの民謡愛好家により編曲、歌詞を一般的なものに改作をし、レコード、テープなどの出現により盆踊りに一大革命をもたらし、さらにラジオ、テレビなどの影響をうけて急速に普及し現在に至っている。

「北海炭坑節」が世に出たのは昭和二十九年で唄い手は田中篁聲である。このレコードは昭和十五年に幾春別炭坑で見聞した「ベッチョ踊り」を編曲したもので、歌詞も卑猥なものを改作、公募したもの
で名実共に北海道の盆踊り唄の傑作で、今井篁山のヒット作の一つである。

北海道という風土と全国より集まったいわゆる混成の人々により創造された炭坑の「ベッチョ踊り」、この踊り、唄がもとになって現在の「北海盆唄」が誕生した。北海道は勿論全国的にも広まりつつある。
「・・・・・・ベッチョセ、ベッチョセ」または「チャンコ、チャンコ」などと囃子たてたり、即興的に織り込んだ文句の踊りと唄は根室の花柳界に、小樽の高島に、旭川中心とする農村に、その他北海道各地の炭坑に・・・・・・として最後までその息吹きを伝えたのが北海道の炭坑であって、昭和三十年頃まではその面影を残していた。
北海道の炭坑方面の方言としての「ベッチョおどり」の語句は「炭坑踊り」と註訳がつき、加えてつぎのような補いの語がついている。「ベッチョ」とは炭坑の坑口のアナにかけたもので、アナに入るとは入坑すること。アナに入れるは性交すること」 と。さらに「ベッチョまくり」の項には、「女の尻をまくることで、すけべえたかりのこと」とある。率直で赤裸々な心、暗いじめじめした抗内のイメージを吹き飛ばしほのぼのとしたユーモアさえ感じさせる。

『いいたかふんじゃん !!北海盆唄考!!』
吉田源鵬

ベッチョ踊りの歌詞の生き残り

姉と妹に 紫着せて
どれが姉やら 妹やら

娘十七八 やりたい盛り
親もさせたい 針仕事

高い山から 谷底見れば
瓜や茄子の 花盛り

べっちょかわらけ 七日の汚れ
七日過ぎたら またおいで

ちゃんこ茶屋の婆 お茶出せ茶出せ
煙草盆出せ キセル出せ

【ベッチョ踊りの囃子】
〽イヤー 年は十三でも (ソリヤ)
 させろてばコラさせよヨー
 (ヨカベナヨカベナ)
 あとでヨーあとでとられたとコリャー
 (チョイサッサー)
 コレサナー ちゃ困るヨー
 (ハーエンヤー コーラヤット
 コイナー コイサット
 コイジャンジャン コーラヤット)

唄も囃子ことば(以下囃子と省署)も即興的で定まっていない。
その他、つぎのような囃子も集録された。
(エンヤー コーラヤット
ドッコイジャンジャン コーラヤット
へらへらマンコの風庫[車?]
[ヘラヘラマンコノカザグルマ]
ヘノコがチンポで キリキリ
[ヘノコノチンポデキリキリ]
押してこい 押してこい)

( ドッコイジャンジャン コーラヤット
押してこい 押してこい
押さなきゃ入らないっと
入らなきぁ ツバつけろ
痛い痛いと泣いたネ
ゴンボの葉で 払いたネ)

(ア エンヤー コーラヤット
ドッコイジャンジャン コーラサット
インランドスケベ ヘッペダンベ ガッチャガチャ)

(ア エンヤー コーラヤット
コイナー ドッコイサー)

(アドッコイジャンジャン ドッコイジャンジャン
押してこい押してこい
押さなきゃ入らない
ア スッチョコドッコイ ドッコイサ
親爺は横座で デレットセ
お嬶はキジリで パークバク
娘は馬屋でガッサガサ)

【根室の遊廓盆踊りの囃子】
〽ハァー 親がベッチョして(アドウシタ/\)
 私をでかして ハア・・・・・・
 私がベッチョすりゃ
 オガラベッチョ意見する
 (ハアベッチョセ )

囃子言葉はチャンコ、ベッチョ共に使われた。

【小樽高島がその起源?「北海盆唄」!!】
〽エンヤーエー 主のある花
  (ハードッコイドッコイ)
 おとこ 折ってこそ男よ
  (ハードッコイドッコイ)
 主のヤナーエか ナーヤナエかナーヤ
 誰も折るヤーレ 主のナーない花
 誰も折る(ハードッコイドッコイ)
 イガベッチョ チューチュー
 タコベッチョ 吸いつくぞ
 押してこい 押してこい さなきゃ入れないっと

のような囃子をはじめ

〽来たベッチョ ドシタドシタ
〽おら嬶インダラだよ・・・・・・

など即興的な卑隈な語句を繰り出して踊りを盛りたて、つぎの歌詞へとつないでいく。

『いいたかふんじゃん!!北海盆唄考!!』


ハァ~博多名所は数々コリャあれどヨ
おらがナ おらが国サのアレサナ であい橋ヨ

敵も味方も あの世じゃ同じ
鬼と物怪よ 躍りましょ

博多名物 踊りたきゃ踊れ
振りの良いもの 彼にする(金いらぬ)

踊れ踊れよ 足踏み鳴らし
橋を突き抜け 落ちるまで

踊れ踊れよ 踊らぬ者に
誰が歌って やるものか

歌を聴いても 踊らぬ奴は
木仏金仏 石仏

音頭とれとれ 声張り上げて
○○の○○○に届くほど

音頭とる子が 橋から落ちて
橋の下から 音頭とる

仕事するときゃ 泣きべす顔で
酒を飲むときゃ 腕捲り

唄でやらかせ このくらいの事
仕事苦にして 泣こうより

{『モンキー盆ダンス』挿入 }

いれて❤️