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八木節

*ハァ ドッコイ ドッコイ ドッコイナット
ハァ スッチョイ スッチョイ スッチョイナット
ハァ ヤッサイ ヤッサイ ヤッサイナット

ハァーアーアーちょいと出ました 三角野郎が
四角四面の 櫓の上で
音頭とるとは 恐れながら
文句違いや 調子の狂い
平にその儀は お許しなされ
許しなされば 文句にかかるが オーイサネー

ハァーアーアーここに名高い国定忠治
国は上州 あの佐波郡
音に聞こえし 国定村の
親の名前を 忠兵衛というて
二番息子が 忠治でござる
生まれついての 侠客肌で
人の為なら 喧嘩もなさる

ハァーアーアー子分子分も その数多く
関東名代の 親分株よ
一の子分は その名も高い
両刀使いの 日光の円蔵
二番子分は 板割浅太
次いで巌鉄 あの美代太郎
万夫不当の 兵(つわもの)ぞろい

忠治「鉄!」
巌鉄「ヘイ!」
忠治「定八!」
定八「なんです 親分!」
忠治「赤城の山も今宵限り、生まれ故郷の国定村や、縄張りを捨て、国を捨て、可愛い子分の手前達とも、別れ別れになる門出だ」
定八「雁が鳴いて南の空へ飛んで行かァ」
忠治「南はどっちだ」
定八「あっち」
忠治「日も西山に傾くようだ」
巌鉄「俺ァ 明日から、どっちへ行こう」
忠治「心の向くまま、足の向くまま、あても果てしもねえ旅へ発つのだ!」
定八・巌鉄「親分!」
忠治「加賀の住人小松五郎義兼が鍛えし業物、万年溜の雪水に清めて、俺には生涯手前と言う、 強ェ味方があったのだ」

ハァーアーアーもっとこの先 読みたいけれど
上手で長いは まだ良けれども
下手で長いは 穏座の邪魔よ
やめろやめろの 声なきうちに
ここらあたりで 段切りまするが オオイサネ

*ハァ呑気な商売 やめられない
やめたらマンマの 食い上げだっと
ドッコイ ドッコイ ドッコイナット

いれて❤️