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虹ヶ咲の最終話に抱いたほんの小さな違和感(と2期全体の感想)

TVA「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」の2期が先週の土曜日に最終回を迎えました。原典に当たるであろうスクスタのストーリーがタコ程叩かれていたこともあり、素晴らしい1期を作り上げたアニヶ咲スタッフがどのように作るのか、個人的に勝手に注目していました。

結果として、良いアニメで終わったとは思います。ランジュというちょっと厄介な女の子を上手いこと消化できていたと思いますし、新キャラ3人が加わるにもかかわらず既存9人+1人のキャラクターも死んでいませんでした。虹ヶ咲はラブライブを目指さないという作品上大きな欠陥を抱えつつも1期を評価されているのはキャラクターの魅力さにあると勝手に考えているので、2期でもしっかりとキャラを殺さなかったのは評価されてしかるべきと個人的には思います。

で、ここまで褒めたたえておきながらこんなタイトルで何を書くんだという話ですが、表題の通り虹ヶ咲最終話には個人的に少しの違和感を感じたという話を進めていこうと思います。
念のため言っておきますと、以下では他のラブライブシリーズのネタバレ、及びネガキャンが一部含まれていますことをご了承願います。

後書いていて思ったんですが、あまり大したことはないので話半分に見てくれればと思います。最後に虹ヶ咲2期の感想を書いています。長いですが、暇な人はどうぞ。


2期最終回を復習

2期最終回はいよいよ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」としてのファーストライブの開催に始まりました。

たかだか学校の同好会が東京ガーデンシアターでライブできるのか?というツッコミは野暮

ここで高咲侑さんが作曲した曲は、現実の虹ヶ咲が出した2枚目のアルバムのソロ曲であることが判明。ただ新キャラ3名の曲は多分3枚目のアルバム。

オードリー/桜坂しずくは神
これは明確に1期の2曲を意識しているカットだと思う

1期最終回のようなお祭り騒ぎの中、個人的にはちょっと驚いた、そしてこのブログの本題となるシーンに移ります。

虹ヶ咲最終話に感じた小さな違和感

感情が高まり過ぎた高咲侑はライブ中に大絶叫します。

これ現実だとラブライバーが殴る蹴るの制裁加えるからな

という冗談は置いておいて(冗談じゃなく現実で暴行は起きているらしいですけどね)、この展開に少し違和感。

虹ヶ咲は固有結界演出こそあれど、このような現実には起こり得ないフィクションな展開はあまりなかったような気がします。もしも現実に「スクールアイドル」が実在していたら、何となく現実でもいそうな女の子がいたら、という妙な現実感が虹ヶ咲のひとつの魅力であり、かつ今までのラブライブとは一線を画しているポイントだと考えていました。
今までのラブライブシリーズは、スクールアイドルで廃校を阻止しようとするという点がまず現実的ではないですが、虹ヶ咲はそもそもラブライブに出ずにスクールアイドルをやりたいからスクールアイドルをやっているという点は結構現実的じゃないかなと思います(どっちがいいとか悪いとかではない)。

このライブ中に非アイドルが介入してくるという展開は、ラブライブサンシャイン1期最終話のような印象を私は抱きました。

1期最終話と言えばニコニコの満足度アンケートで「とても良かった」が非常に低かったことで有名ですが、あの話ではファン(というよりは身内だけど)が客席最前まで走ってくるという、これまた現実で起きたらラブライバーが泡を吹いて倒れそうな展開がありました。

https://blog.goo.ne.jp/msk-mtn/e/17b111310e05e36e11ac808b56938b1fさんより勝手に拝借
問題ありましたら削除します

展開的には相違ないと僕は思う。もちろん別にこれも、高咲侑さんのも、フィクションだと感じればそれまで。気にならない人は気にならない程度の問題だと思う。でも個人的には、虹ヶ咲の今までの積み重ねがちょっと崩れた感想を得ました。
ラブライブサンシャインは結構おかしい作品だったので、曲中に「うわああああ!」ってダッシュしてくるのは別に驚きはしませんが、虹ヶ咲は結構そういうことをしないと思っていたから驚いた。ただそれだけの違和感。

だらだら書いたけど、簡潔に言えば解釈違いということ。そんだけ。

結局高咲侑さんは絶叫した後、上原歩夢に促されてステージへ上がり最後の曲のピアノを担当しました。


2期最終回はどう消化するべき?

虹ヶ咲の1期は、ファーストシーズンということもあって各々の楽しみ方ができる内容だったと思います。しかし虹ヶ咲2期は、そのラブライブシリーズにおける異質性にも拘わらず、ある程度ラブライブシリーズに精通している人じゃないと中々1期ほどきれいに消化できないんじゃないかなと感じました。
というのも、虹ヶ咲2期は、TVアニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」のファンへの続編というよりは、コンテンツとしての虹ヶ咲(またはラブライブシリーズ)を好きな人へ向けた続編という印象を持ったから。

最終回なんかはまさにそうだったと思う。もしもこのアニメが1期のファンに向けた続編だったら、多分彼女たちのファーストライブで披露する曲(高咲侑が作曲した曲)は1期(または2期)の個人曲になっていると思います。まあ固有結界時に歌う曲がどういう扱いになるのかは確かによくわかりませんが......。

最終回以外だと文化祭の8話とかもそう。高咲侑が同好会と共にピアノでTOKIMEKI Runnersを披露したけどコレはもう明確に虹ヶ咲のライブに行くようなコアなファンに向けていると思う。まあアニメが大好きな人はもしかしたら3rdライブに行っているかもしれないけど。

そもそもこの2期は少なからずスクスタのストーリーという、言ってしまえば負債をどのように整理するのかが注目されていたと思う。そういった意味でも、非ラブライバー、というか1期虹ヶ咲を絶賛していた人ほど2期はあまり刺さらないんじゃないだろうか。

なので、2期最終回(もっと言えば2期全体)はある程度ラブライバーの道をたどってきた人向けのアニメだったと消化するのが正解だと、個人的には思う。


虹ヶ咲2期全体の感想

私は毎期感想ブログを書いているので、だったらついでにこっちで感想書いちゃおうということで虹ヶ咲2期の全体の感想を書く。

結論から言うと、1期の方がよかったよなとなってしまう。虹ヶ咲1期ほど、不快感もなくキャラクター同士のギスギスもあまりない、コンパクトに優れたアイドルアニメ・キャラアニメってあまり存在しないと思っているから仕方ないとは思うんだけど。

明確に1期より劣っていると感じたのは、新キャラの個人回があまりに微妙だったことと構成が中途半端に感じたこと。
まず後者から言うと、1期はイントロダクション(+上原歩夢)、各キャラの当番回、合宿回(上原歩夢のイントロダクション)、上原歩夢回、最終回というバカでもスッと入ってくるわかりやすい構成だった。しかし2期はイントロダクション(ランジュ+2人)、ユニット回(単話だったり分割だったり)、栞子回、文化祭回、ランジュ・ミアテイラー回、箸休め回(日帰り旅行、卒業匂わせ回、お悩み相談回)、最終回とわかりやすい構成では無かったとは思う。別に分かりやすい構成が正義とは思わんけど。

そして構成の話から繋がるが、個人回が微妙だったと感じてしまったのは、僕個人の虹ヶ咲2期に抱く感想にダメージを与えられたと思う。特に残念だったのはランジュとミアテイラーをまとめちゃったこと。あまりにコンパクトにし過ぎたせいで、ミアテイラーが東條希みたいになっていたのは残念。正直どこか1話削ってミアテイラーとランジュそれぞれを輝かせる個人回を用意できなかったのかと思っちゃう。特にランジュなんかはやろうと思えばもっと感動的な話に昇華出来たような気はする。コレが個人的には一番残念だった。

ただやはり、虹ヶ咲はトップクラスにスタッフ陣の倫理観が備わっていると思う。
まずはスクスタのストーリーの再構成。もちろんスクスタのストーリーを好きな人もいるはずなので、これをどう処理するべきかはきっと議論されていたと思う。というかメッチャズレているらしいし、2020年秋放送後の2期に向けてきっと試行錯誤が繰り返されたんだと思う。おそらくスクスタのストーリーをそのまま脳死でやるようなスタッフだったら今頃オタクは阿鼻叫喚だろうし、長井龍雪さんが監督だったらヤバいアニオリを繰り広げてそれはそれでメチャクチャになっていたかもしれない。そういった点で、スタッフはようやっていたと思う。

あとランジュのキャラクター。1話でEutopiaという最高に熱い曲を最高にドスケベなライブパートで届けることで虹ヶ咲2期のスタートを切ったのはかなり良かったと思う。こういう、最強キャラとして君臨している人がちゃんと視聴者にも最強キャラとして伝わるという演出は大事だと思う。あと中須かすみ様が部長として頑張る回では普通に可愛い一面を見せていたと思う。正直このアニメが始まるまでランジュに萌えを感じるときはないだろうと思っていたからそれもびっくりした。コレはアニメスタッフのおかげなのか、元から可愛いキャラなのかはわからない。

最後にライブパート。特に最終話のライブは驚嘆した。河村智之監督が自ら絵コンテ・演出を担当し、共同で中山直哉さんも担当。前者は「夢がここからはじまるよ(1期最終話)」「TOKIMEKI Runners(2期8話)」でライブパートを担当。後者は「ハルカカナタ(1期7話)」「stars we chase(2期9話)」でライブパートを担当。まあ最高のライブパートを担当しているお二方が作り上げているので、結果的に「Future Parade」も良いライブになるわけですね。
基本的には全体曲だから皆が歌って踊るライブ感を大切にしながら、それでもソロ曲の固有結界をやんわりと見せつつ、合間合間にアイドルたちの可愛らしい絵を見せることで虹ヶ咲のMV感も残すのって天才すぎませんか?

で、虹ヶ咲と言えばこのタイトルロゴをバックにキャラが映るというメッチャ印象に残る演出と謎スーツですよね。思えばこのアニメ、謎スーツに始まり、謎スーツに終わったんだな。

内容が良かったかといわれると少し微妙なところにあると思う。ただ、いい意味でも悪い意味でも安定していたので1期同様スッキリ見れた。虹ヶ咲の良い所って、物語に大きな起伏が無いから(極論言ってしまうと大会とかに出ないため身内のネタで1クールを終わらせるので)悪い感想を抱くことが無いという所にあるような気がする。

3期とか続編とか映画とかはしばらく無いんじゃないかな。正直2期はこの作品の限界を見てしまったところはあるし、これより先の内容で面白くできるかはいささか疑問。ココで止めておくのが良い気はします。


おわりに

間違えてたかが一つの作品に4500文字も書いてしまった。思ったより虹ヶ咲が好きらしい。じゃあスクスタやれば?......何回かやろうとしたけど体がソシャゲに合っていないんですよね......。FGOももうしばらくやっていないし。

実は今度の9月のライブに行くのですが、ぶっちゃけこの最終回を見てスゴイ不安になってきた。そこまで虹ヶ咲というコンテンツに思い入れがあるわけじゃないから2ndアルバムとかやられても困るんだよな。2期のアニメの曲は最低限やってくれると思うけど、わざわざ東京ガーデンシアターで合わせていることを考えると、やっぱ次のライブはこの最終回を思わせるセトリなのかな~と思うと......。ちょっと......。

来期はラブライブスーパースターがありますね。9人に増えてどうなるか。これまた注目です。この作品における追加メンバーは虹ヶ咲の3人と同様、というかそれ以上にダイレクトに作品における影響力が強いと思うので楽しみ半分不安半分です。1期はメッチャ良かったからね。

今回はここまでです。

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