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質問箱038:編集部のアドバイスが納得いかない場合

※Twitterの質問箱に寄せられた質問を、別途アーカイブしておきます。また随時、加筆修正を加えていきます。

【質問】


【解答】

①お世辞も処世術

これは難しいですね……。
編集者の性格とか、作家側の話芸とか、ケース・バイ・ケースですから。

ベテランの先生には、「いやぁ、キミのアドバイスでぐっと良くなったよ」と編集者を褒めそやし、でも実は意見を大して取り入れていないのに、話芸で丸め込むテクニックを持っていたりしますが。
やはり、肯定されれば編集は嬉しいですし。

上司は思いつきで物を言い、編集者はテキトーに案を出すものですから。
もちろん、編集者にもアイデアマンタイプもいれば、プロデューサータイプやマネージャータイプもいます。

その編集の得意な部分を見つけて、上手く利用するのも手でしょう。もっとも適性がないことに、自信満々の編集者もいますが……。

②武論尊先生の手法

ひとつ参考になるエピソードで、武論尊(史村翔)先生の手法を紹介しますね。

原作者になった当初、原作の半分を書き換えられていたという武論尊先生、編集者に対して3種類のエンディングを用意して、提出したとか。
そうするの人間心理の不思議で、担当編集者はどれかひとつを、選ぶんですよね。

三本ともボツ出しする編集者はそうはいません。

けっきょく、編集者もプライドがありますから、作家から「あなたの提案は使えない」とか言われれば、感情的に反発します。
そこを作家が教育するのは、新人編集者とベテラン作家でもないと、かなり難しいと思います。

であるなら、作家は作品の進捗を、優先すべきかと。

③2を殺し1を活かす

「あなたのアイデアを取り入れて、エンディングを3パターン作ってみたけど、どれが良いかな?」と持っていくと。

実際に、取り入れているかどうかはともかく、意識が作品に向きますから、無用なトラブルは避けられます。
2本は無駄にしても、1本は生きますし。
その無駄にした2本も実際は、別の機会に使うこともあるでしょう。
そう、無駄はないのです。

例えば、ネームのボツを何年も食らっている、新人や投稿者。
この手法を使って、あっさり通った人もいます。
試してみる価値は、あると思いますよ?

もっとも、何年もボツを出し続ける編集者は、アドバイス力がないので、作家の側から切ったほうが良いです。たとえ、超有名出版社の人気編集部の編集者でも、です。

初稿・再稿・念稿の3稿で、OKを出せない編集者は、問題ありが多いです。

④アイドルの生き残り

さて、話を戻して。
実はこの武論尊先生の手法、ジャニーズ事務所の手法でもあります。

タレントにグループを組ませることで、3人組の1人は確実に生き残り、あわよくば残り二人も売れることもあります。

まぁ、これをさらに拡大したのが秋元康氏が、おニャン子クラブやAKB48でやった、数を揃えて生き残るタレントを待つ手法……なのですが。

その是非は置いておいて。
少なくとも作家に関しては、3パターン作ることで、編集者が求めているものが、だいぶ明確になります。

1本だけなら、良いか駄目かの二者択一となりますが、3本もあればA案のここは良いけど、B案のここはダメと、担当編集者のこだわりのポイントが見えてきますから。

試して見る価値はあると思いますよ?


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