すーあくえすと♯4

第4章 神秘の水


スーアとしうは金色の玉ねぎを手に入れ、次なる素材を求めて旅を続けている。
2人は賭博場で出会ったディーラーのそるちさんとパライヤさんから情報を得ていた。

「清く澄んだ究極の水を探しているなら、かくちゅさんを訪ねるといいわ。」
そるちさんが教えてくれた。
「彼女は賭博場の総支配人で、今は新たな賭博場を建設しているわ。しおかぜ街に滞在しているはずよ。」
パライヤさんが付け加える。

次の目的地はしおかぜ街。ここで彼らはカレーに必要な清く澄んだ究極の水を探すことになる。

しおかぜ街は、その名の通り潮風が心地よく吹く港町で、賑やかな市場と美しい海岸線が広がっている。街に到着した瞬間、スーアはその美しさに目を輝かせた。
「すごい!こんなに活気のある街は初めて見たわ。」
スーアが感嘆の声をあげた。

「確かにね。ここは色んな文化が交じり合っていて、とても独特な雰囲気がある。」
と、しうが頷いた。

「見て、あの市場の露店!美味しそうなものがたくさん並んでるよ。」
スーアが指差した先には、新鮮な海産物や色とりどりの果物が並ぶ市場が広がっていた。


2人はそるちさんとパライヤさんの助言に従い、建設中の賭博場へと足を運んだ。
すると、建設現場ではスクール水着姿で、独特の存在感を放つ女の子が何やら大騒ぎしていた。

「なんで網戸がないのよ!この街には網戸がないなんてじられない!」
彼女は額に汗を浮かべながら叫んでいた。

「すみません。かくちゅさんですか?」
スーアは恐る恐る話しかけた。

「そうだけど。どちら様?」

「かくちゅさん、こんにちは。そるちさんとパライヤさんに紹介を受けて参りました。スーア・ローズです。」
「ぼくは、しう!」

「ああ!あなた達が!2人から話は聞いてるよ。」

「私たち究極のカレーを作るために清く澄んだ特別な水を探してるんです。」
スーアは事情を説明した。

「なるほど。それなら精霊の森に″神秘の水″というものがあるはずだよ。でも、その水を手に入れるのは簡単じゃないよ。森の洞窟の最深部まで行かなければならない」
そうかくちゅが答えた。

「試練を乗り越えるのは得意です!そのためならどんなことでもやります!」
スーアが意気込んだ。

「それなら、私が建設に必要な網戸用の建材も一緒に探してきてくれると助かるわ。」
かくちゅが頼んだ。

「分かりました。それも引き受けます!」
スーアが快く快諾した。


スーアとしうは準備を整え、精霊の森へ向かうことにした。かくちゅは彼らを見送りながら、「気をつけてね。森には危険がいっぱいだから。」と声をかけた。

森に入ると、自然の美しさに囲まれた中、突然、際どい服装のエルフ、オキナが現れた。彼女の姿は一瞬でスーアとしうの注意を引きつけたが、その顔には警戒の色が浮かんでいた。

「何者だ!この森に何をしに来た!」
オキナが弓を構え、厳しい声で問いかけた。

「私はスーア・ローズです。神秘の水を探しに来ました。」
スーアはそう答えたが、オキナの警戒は解けなかった。

「森を荒らす者たちかもしれない。ここから出て行け!」
オキナが冷たい目で言った。

スーアは一歩前に出て、穏やかな声で話し始めた。「私たちは森を荒らすつもりはありません。究極のカレーを作るために神秘の水を探しているだけなんです。」

しうも続けて言った。
「ぼくたちの旅の目的は究極のカレーをつくり、人々を幸せにすること。そのために必要な水を探しているんです。」

オキナはしばらく二人を観察していたが、その真剣な目を見て少しずつ警戒を解いていった。
「本当に森を荒らさないと約束できるのか?」

「はい、約束します。この森の美しさを傷つけることはしません。」
スーアが力強く答えた。

オキナは少し考えた後、弓を下ろした。
「分かった。でも、私が同行するから、怪しい動きをしたらすぐに追い出すわよ。」

「ありがとう…!」
スーアが笑顔で答えた。


オキナはスーアとしうを自分の家に招き、一夜を過ごすことにした。夕食にはエルフの伝統料理が振る舞われ、その美味しさに二人は驚いた。

「この料理、すごく美味しいです!エルフの料理は初めて食べました。」
スーアが感嘆の声を上げた。

「ありがとう。エルフの料理は自然の恵みを大切にしているの。食材の一つ一つに感謝して作るんだ。」
オキナが微笑んで答えた。

食事の後、スーアはオキナに彼女の過去について尋ねた。「オキナさん、あなたはどうしてこの森に住んでいるの?」

オキナは少し考えた後、話し始めた。「私はかつてエルフの戦士だったけれど、ある戦いで大切な仲間を失ってしまった。それ以来、心の傷を癒すためにこの森で暮らすようになったの。」

「そうだったんだ…」
スーアはオキナの話に耳を傾けながら、彼女の強さと優しさを感じ取った。

「明日は早い。もう寝ましょう。」
そう言うとオキナは寝床に着いた。


翌朝、スーア、しう、オキナの三人は洞窟へ向かうう。洞窟の入り口に到着すると、そこは暗く冷たい空気が漂っていた。

「ここが神秘の水がある洞窟よ。気を引き締めていきましょう。」オキナが言った。

洞窟の中を進んでいくと、突然、巨大なモンスターが現れた。それは洞窟のぬしであり、試練の一つであった。

「気をつけて!このモンスターは強力よ!」オキナが叫んだ。

スーアとしうはすぐに戦闘態勢に入った。スーアは必殺技「二萬切り」を繰り出し、モンスターに攻撃を仕掛けた。

「二萬切り!」スーアの攻撃がモンスターに命中したが、モンスターはまだ倒れなかった。

「くっ…これでは足りないか。」スーアが汗をかきながらつぶやいた。

その時、オキナが魔法の矢を放ち、モンスターに大きなダメージを与えた。「ここで終わらせるわ!」

「すごい!オキナの魔法は強力だ!」しうが感嘆の声を上げた。

しかし、モンスターは再び立ち上がり、反撃を開始した。スーアは咄嗟にしうと共に避けたが、モンスターの攻撃は激しかった。

「しうも早く動いて!」
オキナが喝を入れる。

「ぐぬぬ。これでもぼくは元剣聖!凄いとこ見せてやるぞ!喰らえ『鳴鳴断幺九』」

「これは厳しい戦いになりそう。でも、諦めない!」スーアは気を引き締め直し、再び攻撃を仕掛けた。

最終的に三人の連携プレーでモンスターを倒すことができた。「やったわ!」スーアが喜びの声を上げた。

 

洞窟の最深部に到達すると、そこには天井の一部が抜け、光柱が降り注ぐ美しい地底湖が広がっていた。大きな豊樹がそびえ立ち、その下には清らかな水が静かにたたずんでいた。

「ここが洞窟の最深部ね。なんて美しい場所なの。」スーアが感嘆の声を漏らした。

「この水があれば、究極のカレーに1歩近づくね。」しうが嬉しそうに言った。

三人は神秘の水を慎重に採取し、その透明な水を一口飲んでみた。水の清らかさが体中に広がり、心が洗われるような感覚を覚えた。

「この水を飲むと、本当に疲れが浄化される感じがするぞ。」しうがそう言いながら、再び一口飲んだ。

「でも、網戸用の建材も忘れないでね。」スーアが笑いながら言った。

3人は網戸用の建材も無事に見つけ、精霊の森での冒険を終えた。


森を出る前、オキナはスーアに一つの箱を手渡した。「これは私からの贈り物よ。これからの旅で役に立つかもしれない。」

スーアが箱を開けると、中には際どいデザインの衣装が入っていた。「これって…」

「そう、エルフの戦士たちが特別な時に身につける衣装よ。あなたの強さを見て、これを贈ることにしたの。」

「ありがとう、オキナ。でも、これを着る機会があるのかしら…?」
スーアが少し困惑しながら笑った。

「いつかその時が来るわ。大切にしてね。」
オキナが優しく微笑んだ。

スーアとしうはオキナに別れを告げ、再びしおかぜ街へと向かった。


しおかぜ街に戻った二人は、かくちゅに網戸の建材を手渡した。

「本当にありがとう!これで賭博場の建設も順調に進むよ。」
かくちゅが感謝の言葉を述べた。

「こちらこそ、神秘の水の情報を教えてくれてありがとう。」スーアが笑顔で答えた。

「それにしても、精霊の森での冒険は本当に素晴らしい経験になった。オキナに会えたことも、忘れられない思い出だ。」しうが感慨深げに言った。


スーアとしうは、次の目的地に向かうために旅の準備を始めた。究極のカレーを完成させるための旅はまだ続く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?