すーあくえすと♯2


第2章 - スパイス

マージャン国に足を踏み入れたスーアは、国王のいせとばと共に、究極のカレーを作るための冒険を続けていた。

「まずカレーで最初に必要なのはスパイスよね!」

いせとばからスーアに与えられた案内を基に、まずは市場を巡ってスパイスの調達を試みた。多くの露店が立ち並ぶ中、スーアは様々なスパイスを手に取り、匂いをかいではその特性を覚えていった。しかし、究極のカレーを作るには、通常のものではなく、特別なスパイスが必要だと感じていた。

「いせとばさん、これではまだ足りない気がします。究極のカレーを作るには、もっと特別なスパイスが必要なんです!」

いせとばは微笑みながら頷きこう言った。

「あるわよ。特別なスパイス…!」

いせとばは次に案内する場所へとスーアを導いた。それはマージャン国の中でも特別な場所、国内の試練の場だった。

その場所は、広大な庭園の中にある複雑な迷路のような建造物だった。石畳の小道が入り組み、時折目の前の景色が変わる幻想的な迷路に、スーアは少し興奮を覚えた。

「この試練場では、あなたの求めるものを見つけるために、自らを試す必要があります。スパイスだけでなく、心の準備も必要ですよ。」

いせとばの言葉を胸に刻み、スーアは迷路の入り口に立った。迷路の内部は、見通しの悪い道や意表をついた分岐点が多く、一筋縄ではいかない構造だった。しかし、彼女の目的は明確で、進むべき道を迷わずに進んでいった。

最初の試練は、迷路の中に隠されたスパイスの入手だった。スーアはスパイスの匂いを頼りに、道を選び、時には直感を頼りに進んでいった。長い間迷路の中を彷徨い歩いた後、彼女はある小さな広場にたどり着いた。

色とりどりの花々が咲き誇るその場所は、迷路の中での冒険の結果、最初の試練を乗り越えた証だった。しかし、彼女の前に突如として現れたのは、青々とした草むらの中から顔を覗かせた大きなモンスターだった。

そのモンスターは背中に羽根を持ち、体は緑色に輝き、巨大な牙が鋭く光っていた。

「これは…試練の一部かしら?」

モンスターはゆっくりと身を起こし、スーアに向かって迫ってきた。彼女は即座に戦闘の準備を整え、周囲の状況を把握しようとした。

「どうするのかしら…このモンスター、一体どんな攻撃をしてくるのかしら?」

その時、いせとばがスーアの背後に立って、静かに話しかけた。

「このモンスターは、この迷路に住む守護者としての存在よ。あなたがこれまでの試練を乗り越えたのは見事なことだけど、この戦いはあなたの技術を試すもの。自分の力を信じ、戦いに臨みなさい。」

スーアはいせとばの言葉を聞き、決意を固めた。彼女は深呼吸をしてから、モンスターに向かって歩み出した。その動きに反応して、モンスターも構え、牙を剥き出した。

スーアはモンスターとの距離を見定め、慎重に戦略を考えた。彼女は自身の必殺技「二萬切り(最弱への一撃)」を試すことに決めた。その技は、相手の攻撃を躱し、繊細で精巧な動きを必要としたが、スーアは自信を持ってそれを実行した。

モンスターは突如としてスーアに向かって飛びかかり、鋭い牙で彼女を攻撃しようとした。しかし、スーアは敏捷に身をかわし、その隙を突いて必殺技を発動した。瞬間、彼女はモンスターの首元にある弱点に命中させた。

「これで…!」

モンスターは草むらに倒れ、霧状になり消え去った。

スーアは息を切らしながら、戦いの結果を見つめた。彼女の技は成功し、モンスターを倒すことに成功したのだった。

いせとばは微笑み、スーアに賞賛の眼差しを送った。

「見事だったわ、スーア。この勝利で、あなたはマージャン国の試練を全うしたことになる。受け取りなさい。」

そう言うといせとばは小さな小瓶を手渡した。

「我が国に伝わる20辛スパイスよ…!」

「これが…私の探していたスパイス!」

スーアは誇らしげに、どこかほっとしたように小瓶を受け取った。

スーアはモンスターとの戦いを終え、その勝利の余韻に浸りながら、次なる目標を見据えた。彼女は感謝を述べながらいせとばと別れ、次の素材を探す準備を整えた。スーアの冒険はまだ始まったばかりであり、彼女の目指す究極のカレーへの道は長く険しいものだった。

次なる目的地は遊び人の街。そこで彼女がどんな仲間に出会い、どんな困難に立ち向かうことになるのか。スーアは決意を新たにし、その足跡を進めていくのであった。

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