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平隊士の日々 元治元年皐月六

元治元年皐月六   


起きて、布団をかたずけ、掃除して、稽古。

朝食、漬物、梅干し、たくあん、味噌汁、ご飯。

本日の隊務割。
賄と言うことで、皆で集まり、献立を考える。
「大阪に、魚、エビ、イカを野菜、焼き豆腐、生麩などと、
醤油味のだし汁で煮ながら食べる、
魚すきと言う料理があります。」と言うと、
「エビは昨日の巡察の時に見たな。」
「イカもあったぞ。」
「野菜は、ささげと茄子と瓜を見たな。」などと皆から言われ、
組長が、
「よし、エビ、イカと水菜と生麩の魚すきを作り、
茄子は田楽にして、瓜の味噌汁でいこう。」と言い、
手分けして、材料を買いに行く。
僕たちは野菜の買い出しで九条まで行く。
昼四つ前にはみんなが戻り、料理を始める。

昼食、魚すき、茄子田楽、瓜の味噌汁、ささげの和え物、漬物、ご飯。

食事のかたずけをして、皆で湯屋へ行き、献立を考える。
「思った以上にご飯が進み、ご飯があまりないが、どうする。」
「雑炊にしても足りないなぁ。」
「ご飯を五平餅風にして、焼いて味噌を付けてはどうでしょう。」
組長が、
「おお、良いな、美味そうだ。」と、
「それだけでは足らないので、蕎麦がきを作り、鍋にするとか。」
「蕎麦がきとネギの汁ものや、
昼の残りの瓜を使って、蕎麦がきと瓜の餡かけとかはどうでしょう。」
「組長どうします?」
「そうさな、ご飯は焼き団子にして、味噌を付けて、
蕎麦がきの汁ものにネギと水菜を加えて、
ゆで瓜の餡かけが良いかな。」
帰り道に明日の朝の煮豆を買って屯所に戻り、
食事の準備。

夕食、蕎麦がき、焼き団子、瓜の餡かけ、漬物。

山南総長が、六番隊と非番の十番隊を誘って、吉原へ飲みに行く。
かなり酔っぱらって帰り、すぐに寝る。

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