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平隊士の日々 元治元年卯月十九

元治元年卯月十九  


やられた、夜襲で起こされた。
一番隊と三番隊が夜巡察だったので、安心していたら、
二番隊が夜襲を掛けてきた。
阿部と森が蹴飛ばされ、僕は踏まれて起きた。
刀をつかんで立ち上がり、周りを見回すと、
加藤が刀を探している。
廊下の方に刀が転がっていたので、拾って渡す。
部屋の中心の方で寝ていた五番隊が蹴飛ばされている。
永倉組長が楽しそうに、
起きろ、起きろ、と寝ている隊士を蹴飛ばしている。
気配で起きた、奥の方の七番隊は刀をつかんで立っている。
土方副長の号令で、夜襲は終了。
朝稽古までニ刻あるので、もう一度寝る。

井上組長に起こされ、稽古。
眠いが、稽古していたら目が覚めた。

朝食、シジミ汁、たくあん、梅干し、ご飯。

本日の隊務割、
午前は南巡察、午後は当直、夜は西巡察。
二番隊と南巡察、特に何もなく、屯所に戻る。

昼食、鮎の甘露煮、田螺の酢味噌和え、煮浸し、味噌汁、ご飯。
田螺は前回当たってひどい目にあったので食べない様にした。

当直なので、いつでも出れる用意をして、稽古。
三番隊が木屋町通と二条城通の交わるあたりで、
浪士二人を捕縛して戻ってきた。
昨日、捕縛した浪士は、今日も、監察方の取り調べを受けている。
さらに、浪士が増えると、僕らが寝る場所が無くなりそうだ。
番所にも浪士を引き渡してはいるが、情報を得るために、
土蔵に縛って押し込んでいるが、如何せん、浪士が多すぎる。

夕食、ニラ雑炊、漬物、冷ややっこ。

二番隊と西巡察に出ようとしたら、
山南総長が俺も行くと一緒に巡察にでる。
七本松通りを北上し上押小路に差しかかると、
前方を逃げていく浪士を発見し、追いかけるが逃げられる。
二条城をぐるっと回って、屯所に戻る。
腹が減ったので、おにぎりと味噌汁をもらい、食べて寝る。


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