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平隊士の日々 元治元年卯月十七

元治元年卯月十七  


夜襲は無かった。
どうも、体調がはっきりしない、喉が痛い。
森を起こして、掃除して、稽古に行く。
土方副長が二人の伍長、竹内元太郎と粂部正親に、
今までの縦に一列だと、浪士に逃げられる場合が多いので、
新しく、取り囲む場合の配置を決めたので指示している。
今までの配置は

        組長
死番-伍長-死番     死番-伍長-死番
二番   二番     二番   二番
三番   三番     三番   三番  
四番   四番     四番   四番

今後は、竹内伍長の左右にそれぞれの組の死番が配置する。
死番を先頭に、死番の後ろに二番、二番の隣に三番、
三番の斜め後ろに四番となった。

     死番-伍長-死番
  三番-二番   二番-三番
四番            四番

もう一人の伍長も同じような配置で組長の指示により、
組長の右や左、または、浪士の後ろに展開し、捕縛する。
組長が自由に動けて、四つの組が四方から取り囲む配置になる。
今後の、かかり稽古もこの配置を基準にして、
組長の指示に従い、素早く、行動できるように、
稽古をすることになった。
四番と四番との間が空くと、浪士に逃げられてしまうので、
間を開けないように、注意するようにと言われた。
感じとしては、台形の配置で四方を囲み、真ん中に浪士を追い詰める。
大体理解したところで稽古終了。

朝食、漬物、味噌汁、ご飯。
八番隊のご飯はいつも同じような気がする。

本日の隊務割、
午前は当直、午後は西巡察、夜は当直。

当直と言うことで、いつでも出られる用意をして、
今朝の配置を、再度確認。
よくできた配置と思う。
浪士に向かって、必ず二人の壁が出来るので、浪士も逃げ難い。

昼食、お茶漬け、漬物、鯉の甘露煮。

三番隊と西巡察。
斎藤組長が、井上組長に
「歳さんもいろいろ考えるよなぁ。
まぁ、それだけ、新選組のことや隊士のことを考えているわけだけどな。
もう少し、隊士が多くても何とかなるじゃないのか。」
「歳さんの話では募集はしているが、
京、大阪からでは、そう集まらないので、江戸で募集をするらしい。」
「そうか、そうすると、少しは隊士も増えて良くなるかな。」
などと話しているのを聞いている内に屯所に戻る。

夕食、卵粥、大根とゆで卵の煮物、梅干し、だし汁。

当直。
南巡察に行っている三番隊が、
九条あたりで、浪士と斬りあいになっていると監察方より連絡あり。
駆けつけた時には、浪士四人が捕縛されており、
木内峯太が足に傷を負った程度で、浪士の取り逃がしは無かった。
新しい配置が良いと証明された。
屯所に戻り、木内の手当をして、寝る。


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