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赤い花が一斉に咲き乱れる

深夜に呼び出しを受け、神社で待ち合わせをした
神社には街灯がなく、携帯のこんな灯りさえ眩しい

4月になると満開の桜も
今は、初冬、樹木そのものが影のように黒く
しっとりした佇まいが物悲しい

こすりすぎた眼で見る月はバナナのようで
3つの房が軸にぶら下がって光っている

それにしても待ち合わせが街灯のない神社
あまりにもデフォルトで笑ってしまう
足元に倒れる人達、一人で立ち向かうには多すぎた、と笑ったら
頭が少し痛い、バットが当たったせいか
「病院は、開いとるかな」
今、言っても仕方ない・・・
歩いて行くかどうか迷っている

友人の妹が困っていると聞いたのは、夏
都内から隠れるように帰省し、
何者から逃げていると聞いた
都内でどんな友達と付き合っていたのか
体中に打撲と火傷と切り傷の跡

昨夜、友人の妹に電話があってから、
友人の妹はおびえてまともに話せない
母親が聞いたところ、今晩、神社で待つとのこと
それを聞いて、

「自分が代わりに行き、話をつけてくる」と言うと
母親は、警察に任せた方が良くないか?と心配そう
「大丈夫、次の標的は自分に代わるから」と軽く笑った

友人の母親は、しきりに謝る
あやまれると、気分がなえる

友人の妹は何かの栽培を手伝わされていた
都会で疲れた友人の妹がすがりついたのは
カクテルバーのバーテン
最初は客とバーテンだったが、
通い詰めて好きと言い、良い中になったらしい
優しかった男は、貯金が尽きると急変
殴る蹴るの男に豹変し、
自分の部屋を男の仲間にまた貸しして
キャバクラに勤めさせた

境内の入り口の方を見ると
真正面に見えるオリオン座
彼女は家族に類が及ぶことを一番気にしている
「何もかもが上手くいった」
私は答えることが出来た、そう思う

影のように黒い樹木が、桜の花をつける頃には
彼女には新しい道が開けるだろう

希望に満ちた花が一斉に開くように
神社の境内に赤い花が咲き乱れている

死人はいないと思うが、相手は武器を手にしているので
過剰防衛で収まるだろう
拳と頭と背中が痛い、ナイフは全部避けたので
切り傷は無いが、バットがかすった額に傷ができた

彼女のアパートに手入れが入れば、こいつらは一網打尽だ

まだ、うごめく奴がいたので、軽く頭を蹴り飛ばし
呻くと気絶したようだ

友人や友人の家族には類が及ばないように 
希望が舞い込むよう、気絶している
男や女を確認しながら、神殿に向かい、
私は神社の神さまにそっとお願いした後
流れる血をもう一度ふき取り
警察に電話をした


・・・
これは創作で、主人公に似た名前の人もフィクションです。
実在の人物や団体などとは関係ありません。 
あくまで、妄想ですので事実と誤認しないようにお願いいたします。
・・・


と言う
うめこさんの記事紹介う







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