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破天荒すぎる大河ドラマ「いだてん」のオススメ

視聴率がよくないと言われている大河ドラマ「いだてん」。
私はだんだんハマって、今ではちゃっかり毎週見ています。

なぜ視聴率がよくないのか?
それはいつもの大河ドラマと全く違う構成をしているから。
これまでの大河ドラマは1人の人間を主人公として、その主人公が小さい頃から物語が始まり、主人公が亡くなるまで、時系列的に描くのが一般的だった。
それに対して「いだてん」ではまず主人公が2人いるところからして型破り。そして全く時系列順に話が進まず、大正から突然東京オリンピックの開催直前に時代が飛んだりする。
こんな構成では、それまで大河ドラマの視聴者であった年ごろの人たちがついていけないだろう、ということらしい。

多分、脚本を書いた宮藤官九郎は、脚本を書いた時点で、そんなこと言われることは百も承知だったと思うし、これまでの大河ドラマの構成とは全く趣が異なることだって、わかりきっていたことだと思う。

それでもなぜ敢えてこのようなお話にしたのか。
宮藤さんがこのドラマを通して私たちに伝えたいメッセージはなんなのか。

金栗四三が切り開いた日本のオリンピック出場の1912年から108年目である2020年に開かれる東京オリンピック。
そのとき日本はどんな状況にあるでしょうか?
東京オリンピック後には景気が後退するとか言いながら、日経平均株価の連日の下落傾向を見ると、すでに景気後退が始まっているようにも思えます。2020年にはもっと景気が悪くなっているかもしれないし、日本を取り巻く国際情勢、経済事情も厳しさを増しているような予感がします。
そんな厳しい時代に私たちはどう生きるべきなのか?私は宮藤さんがそのヒントとなることを大河ドラマを通して私たちに訴えていると感じます。宮藤さんはこの枠にはまらない大河ドラマを通して、金栗四三の人生を通して、これからの時代において、「枠にはまらず生きること」の大切さを私たちに訴えているのではないでしょうか。

平成という時代を振り返ってみると、企業や地域という、集団にハマっていくことで個人が幸せに生きられる時代でした。自分が属する集団からいかにはみ出さずに生きるか。でもそれは、よく言われることですが、終身雇用制度と年金制度が支えてくれた価値観でした。
終身雇用制度がもはや崩壊してしまった現在、これから先の時代は、その価値観で生き残っていくことはできない。しんどいことではありますが、一人一人が集団を頼らず、自分の考えでどうすればこの時代を生き残っていけるのか考えなければいけない。そこで自分はどうやって生きていくのかというところで、枠にはまらずに考え、行動することが、とても重要になるのではないかと思っているし、宮藤さんもそんなことを「いだてん」のドラマと、金栗四三の生き様を通して私たちに伝えようとしているのではないかなと思う。

枠にはまらず行動することって、考える以上に大変なことではあるけれど、そんな時こそ、アントニオ猪木の「踏み出せば、その一足が道になる」という言葉を心に刻みたい。



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