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雑記:2023/12/9~12/16



2023/12/9(土) テート美術館展 光 — ターナー、印象派から現代へ

奈良マラソン受付の帰りに、中之島美術館まで足を延ばしてきた。
というのも、これを見ておきたかったのだ。



ぽかぽか陽気の昼下がり。
川沿いの道を歩くのはとても気持ちいい。

あひるの行列がいるな……と思ったら、今、ほたるまちにラバーダックがいるのか。見に行きたいな(この日はまだ展示前)


福島駅から約10分ほど川沿いを歩いて、実は訪れるのははじめての中之島美術館へ。2021年竣工のまだ新しい美術館。

不思議な装束の、ねこがいるね……。
SHIP’S CATという名前の、船の守り神をモチーフにしたねこのアート作品だそうで、全国いろんなとこにいるらしい)


黒いキューブ状の建物は外から見るとなかなかの威圧感があったが、中はがっつり吹き抜けになっていて、天井も高くて贅沢な空間。外から感じたような閉塞感はなく、ものすごく明るいわけではないけれど、スッキリした印象。

長いエスカレーターで吹き抜けの中を徐々に進んでいくのは、これから展示を見るわくわく感が高まるなー。


お目当ては、タイトルにも入っているJ・M・W・ターナー。
長年、図録や写真で見るターナーは、うすらぼんやりして印象派の中でも何が何だかよくわからないなぁ、という感想だったのだが、はるか昔、旅行の際に立ち寄った美術館で、その現物を見て圧倒された。

これは、あれだ。
このうすらぼんやりしたモヤモヤの中に、写真には写らない、ものすごい情報量が詰まっている。なんか、うまいこと言語化できないけど、なんかすごいぞ……。描かれていない、見えないものが、確実にある、という存在感はどこからくるんだ??

と、しばし絵の前にたたずんでしまってからというもの、できるだけターナーに関しては現物を見ておきたいと思っている。

ということで、今回のターナーの目玉は「光と色彩(ゲーテの理論)─大洪水の翌朝─創世記を書くモーセ」なのかもしれないが、もちろんこれらの壮大さもさることながら、私が最も気に入って何度も戻って見に行った一枚がこちら。空気が……空気が描かれておる……!

『湖に沈む夕日』

自分で貼り付けておいてなんだが、画像ではすごさが1ミリたりとも伝わらねぇ……!!



あと、習作として展示されていた「金属球および透明球に映る部屋の描写」と、さらにその「透明球の半分に液体を入れた物体に映る部屋の描写」(タイトル忘れたので適当)が、ああ、白黒の線画でここまでの質感を出せる力量と考察があって、はじめてこのモヤモヤの奥に確実に存在する風景や、本来目に見えないはずの空気そのものを描くことができるんだな、と納得した。
これは、見に来て本当によかった。

ターナーとは方向性は真逆なんだけど、ゲルハルト・リヒターの「アブストラクト・ペインティング(726)」も、圧がつよい。
油絵の質感も含めて、光(こちらは夜に流れるスポットライト的な強い光)の奥にある、人や物の存在感が、写真と実物では圧倒的に違う。ライトの奥でいろんなものが激しく行き交い、今まさに何かが起こらんとするような(むしろ光の奥ではもう何かが起こってしまっているような)不穏感を感じる。
リヒターは、つい一ヵ月前に富山県立美術館のコレクション展で公開されている大作「オランジェリー」をワクテカしながら見に行ったのだけれど(きらっきらしてたYO!)、近い時期に全く印象の異なる2作品を見れてよかった。

圧……!(実際はこんなもんじゃない)


その他、今回の展示のアイコンになっているジョン・ブレット 「ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡」も、ピンクに立ち上るもやの質感と、色合いの鮮やかさが、ずっと見ていても見飽きない。

海面と大気の温度差まで感じられる……あと、見る角度によって光の加減が全然違って見えるので、しばらく周りをうろうろしてしまった


あとは、ジョン・エヴァレット・ミレイ「露に濡れたハリエニシダ」も美しかったなぁ。こちらは緻密で繊細きわまりない、森の奥に潜む光。
"北欧のフェルメール" ヴィルヘルム・ハマスホイも人気らしく、多くの人が足をとめていた。静謐、という言葉がぴったりの、硬質さを感じるモノトーンの世界は、テーマも作品も決して大仰ではないのに、そこだけ浮き上がって存在感を放っていた。暗い色調の中で際立つ女性の首筋に萌えた。

現代以降の作品、特にインスタレーションは、相変わらずどう理解していいのかよくわからないものが多いのだが、ジェームズ・ タレル「リーマー、ブルー」は、小部屋の中に入って青い光を見た時の没入感が恐ろしく、なんとなく、製作者が表現したいことがわかった、ような気がする。たぶんこういう感覚を、強制的に味わわせる異空間への舞台装置や媒介物としての「光」で、表現したいものは目の前にあるなにかではなくて、この没入感と浮遊感という体感そのものなんだろうな。

天地創造を中心とした荘厳な宗教画の時代から、生活に根付いた風景画や人物画を経て、人工的な光が取り入れられた現代にいたるまで、それぞれ質の異なる「光」と、それをどう切り取ろうとしたかを、一連の流れとして意識させられる展示で、素人でもとっつきやすい上に、どの作品をとってもとても見ごたえがあって満足だった。

よく考えてみれば、「光」が描かれている、というけど、そもそも見ている我々が網膜で知覚するのは、元々その場に存在している光そのものであって、それが異なる波長で反射されたものが、「色」を識別するシグナルに変換されて認識している。その反射、というか平面に反射されるそのされ方でようやく、強くも弱くも美しくもはかなくも、「光」の意味を感じる、というのも不思議なことだなぁ、と、よくわからないことを考えながらお家に帰った(ごめん、ちょっとなにをいってるのかわからないな)
あとから思ったけど、たぶんそういう発想でアプローチしてたのが、ブリジット・ライリー「ナラタージャ」なんだろうか。その場ではいまいちピンとこなかったけど。

光ってなんなんだろうね。



2023/12/16(土) 一足早い忘年を

ここ数年、よなよなエールの福袋を年末に購入している。
どこでも買えるお手軽なクラフトビールとして、過不足なくおいしいよね、よなよなエール。好き。(なお、福袋といっても特段お安くなっているわけではなく、ほぼ定価なのですが、半分は限定ビールが入ってます)

一気に24本届いてうっひょー!となるのだが、一人で消費するのはなかなか大変なので、テンションが上がったついでに、ご近所さんと一緒に忘年会をしていただいている。ありがたい。

今年の限定ビールは「バクの初夢2024」。昨年までと違い、福袋限定ではなく一般発売もされてるそうです。のほほんとした顔のバクのイラストがかわいい。
つまみも用意して……
いざ!かんぱいだーーー!!!


バクの初夢は、エクストラペールエールということで、さらっと軽めに飲めるんだけど、香りはしっかりクラフトビールでここ数年の限定缶の中でもかなりおいしかったです。とても好きな味だ……(ホップがインドの青鬼の1.5倍だそうです。そりゃーいい香りだわ)
けど、今見たらアルコール度数6%で、普通のビールより高いので要注意だ(気づかずぱかぱか飲んじゃったよ)

差し入れにおいしいワインもいただきました。ビールばっかりになってたとこ、味変できてよかった。ワインはチーズに合うなー。


夕方5時から開始して、たっぷり5時間……あんなに喋っていたのに、なにを喋ったか全く覚えておらず、めちゃくちゃ楽しかった、という記憶しかない。唯一の記憶は「柔和な笑顔で詰めてくる〇〇部怖い」

今回の心残りは、高槻市民の誰もが自宅では見たことのないにも関わらず、全国規模で推されている幻の高槻郷土料理「うどん餃子」を作るつもりだったのに、そこまで行きつかずに力尽きてしまったことだ(ビールたくさん飲んでるからね……)
ぜひ何かの機会にリベンジしたい所存。

よなよな以外にも、ホッピン福袋オリオン福袋も気になったので、また来年のお楽しみにしとこう。