酸素と一緒〔1歳9ヶ月〕

*過去の自分のブログの転載です。当時娘は1歳9ヶ月。フォンタン術後3ヶ月、酸素歴1年7ヶ月です。

🍀

<2013/08/30 fri ☀☔>

なんとなく今日は酸素の話。

皆様ご存知、酸素児の娘さん。

24時間なのでどこに行くにも何をするにも酸素と一緒。

お風呂以外。

ちなみに流量は1L。

本人は生後2ヶ月からカニューラを差しっぱなしなのでまったく気にもとめてない。

むしろ眠くなった時の指しゃぶり中はカニューラを引っ張って人差し指で吹き出す酸素の感触を楽しむという、ある意味なくては困る存在。

酸素屋さんは「手術して体が楽になると酸素が邪魔だと感じて勝手に外しちゃう子が結構いる」と言っていたけれど、まったくそんな気配はなく。

暴走アグレッシバーであるが故にあまり楽になってないからなのか、当たり前過ぎて外そうとも思わないだけなのか、なんにも感じていない鈍い子なのか。

謎。

まあ、ありがたい話ではある。

酸素ちゃんあるあるでチューブがどこかに引っ掛かりカニューラが引っ張られて変な顔になると、娘ちゃんは「んきーーーーーっっ!!!」と超音波を発してキレる。

一時期は自分で直そうとしてたのに、今は真っ向勝負を挑んでひょうたんみたいな顔になって意地で引っ張りあい。

たま~にジョイント部が抜けて勝つこともあるけど、基本は負けるよね。

イヤイヤ期に突入した今は、すぐに直しにいけないでいると「○%◇&#◆*@」と文字にできない声を発して床をゴロゴロとのたうち回り、まるで体全体で地団駄を踏んでるかのようにキレる。

直してあげても母ちゃんをキッとにらんで「おせえよ」と言わんばかりに叩きにくるし。

超怖い😱

だけどそれ以外は酸素を当たり前に受け入れてる娘ちゃん。

最初の入院中に酸素になって3L流してもサチュ60台なんて時期を見てたから、母ちゃん自身も酸素に対して抵抗はなくて、むしろ酸素様様だと思ってる。

なんで今さらこんなことを書くかと言うと、在宅酸素にものすごく抵抗を感じてるママさんや酸素なんて付けたらもうどこにも出掛けられないってくらいに落ち込んでるママさんをたまたま見かけたから。

読者さんじゃなくておすすめを適当に巡っていたときの話だから、限定記事に書いてもその人には伝わらないんだけど、酸素児の母としてどうしても残したくて。

確かにボンベは重くて邪魔で、カニューラ付きの我が子を他人にさらすのは今でも少なからず抵抗はある。

だけど意外とどこにでも行ける。

なんでもできる。

ボンベは邪魔だけど結構どうとでもなるし、他人の目は気になるけどこっちが幸せそうに笑っていると意外と変な人は寄ってこない。

こないだの入院中にもプレイルームで一緒になったママさんに「ずっと酸素が付いてるんじゃどこにも行けないでしょ?」と聞かれた。

いや、意外とどこでも行けるよ~。

そう答えたけど強がりだと思われたかな?

私はむしろ逆だと思う。

酸素があるからどこにでも行ける。

酸素があるからなんでもできる。

酸素があるから一緒にいられる。

だってもし酸素がなかったら病院から出られないかもしれない。

退院できても家からは一歩も出られないかもしれない。

酸素を必要とするような体なんだから、酸素がなかったらキツすぎて何もできないのかもしれない。

今はちょっと状況が違うけどね。

酸素があるから家族で過ごせる。

在宅酸素様様。

ありがたや~。

酸素付きでの退院が決まった二度目の退院未遂の時。

みんなは酸素付きであることに抵抗を感じてガッカリしていた。

ダンナですらも。

私だけ違った。

だって酸素さえあれば一緒に帰れる。

酸素があるから退院できる。

酸素大歓迎✨

そう思った。

たぶん息子もね。

まあ結局あのときは酸素をしててもサチュが低下して退院はなくなったんだけど。

確かに邪魔だし重いし気軽には出られないし他人の目は気になるしいいとこなしだ。

でも酸素がなかったら娘ちゃんはここにいない。

そう考えたら酸素なんて大したことじゃないよね。

どこにでも行けるよ。

めんどくさいからあまり出ないだけで、行けない訳じゃない。

行けない理由は酸素じゃなくて別のこと。

感染症とか暑さとか寒さとか、親の葛藤とかね。

酸素がなくてもたいして変わらない夏休みだったと思うし。

だから「酸素があって大変でしょう。早く外れるといいね」と何も知らない人から言われるのはちょっと複雑。

だって母ちゃんは早く外れるといいなとは思ってないから。

そりゃ外れたら明らかに楽だけど、母ちゃんにとって酸素は邪魔なものでも重荷でも負担でもなく、娘ちゃんを母ちゃんのもとに帰してくれた救世主だから。

ん~まあ実際重くて邪魔だけどね。

外れたら嬉しいけど、外れないなら外れないで酸素付きのまま楽しむ方法もいくらでもある。

幼稚園も私はそんなにこだわってないから、外れないなら別に行かなくてもいい。

で、そんな酸素のボンさんと仲良く出掛けるためにベビーカーを買い換えた。

息子が生まれたときに買った1台目が限界に来てたのでずっと探してたんだけど、先日会ったRちゃん(心疾患児ママ友)におすすめされて即決。

ボンベがすっぽり入って荷物も載せられて4歳まで使えるって貴重だよね。

涼しくなったらこれでまたどんどん出掛けるぞ。

大きな公園に行こう。

毎年恒例の夢の国にも行くよ。

動物園に今度はまた別の水族館。

ぶどう狩りに紅葉狩り。

近くの公園や近所をお散歩。

酸素が外れてからでも……ってそれはいつ?

いつでも行けるんだから今じゃなくても……ってそんな保証はどこにもない。

人混みや子供がたくさんいるところは避けるけど。

どこでも行ける。

なんでもできる。

一緒にいられる。

ありがとう、酸素。


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