私が実測した向社会性サイコパスについての推測②～他の実例や創作物からの想像～

今回のテーマは向社会性サイコパスについて、著名な本や
創作物などを参考に特徴を考えたいと思います。

結論としては向社会性サイコパスは非情な判断が求められる
医者や弁護士などの職業に向いた性格だと考えます。

サイコパスを描いた作品で私が真っ先に思い出すのは
『スパイラル 〜推理の絆〜』というマンガ作品です。
この中に登場するのがブレードチルドレンと呼ばれる子どもたちであり
この子どもたちは同じ男親を持つという遺伝子的素質から
ある程度成長すると人を憎む衝動性を発現してしまい、
犯罪を犯すというものです。
そして、ブレードチルドレンはだれしも魅力的で何らかの
才能を持つということです。
衝動性発現前が向社会性サイコパスに近く、衝動性発動後が
反社会性サイコパスに近いと
当時は気づきませんでしたが、今ではそう感じます。
ただし、特に反社会性サイコパスは喜びから人を害するという点が
憎しみにより人を害するブレードチルドレンとは異なるでしょうが。

このようにサイコパスについては遺伝的要素が大きいと私は思います。
特に向社会性サイコパスについては、天賦の才能と言われるレベルでの
何かしらの長所を併せ持った場合、非常に優れた人物に
なりやすいと考えます。

次にネットを検索してヒットした向社会性サイコパスの実例に
触れたいと思います。

『サイコパス・インサイド―ある神経科学者の脳の謎への旅』より引用

『だが決して凶悪な殺人犯だけを指すわけではなく、人を思い通りに
操縦しようとしたり、嘘に長け、口がうまく、愛嬌たっぷりで、
人の気持ちを引きつけたりといった特徴も含むものとされる。
むろん著者は人殺しや危険な犯罪を犯したことなどなかったし、
それどころか科学者として成功し、幸せな結婚生活を送り、
3人の子宝にも恵まれていたのである。』

『この瞬間、彼の人生で起こってきた出来事、喘息、アレルギー、
パニック発作、強迫性障害、高度の宗教性、不眠、快楽主義、個人主義…。
様々な症候群が、一本の線でつながり出す。』

『やがて彼は、自分自身が向社会的サイコパスであることを受け入れる。
たしかに反社会的な特性はなく、怒りをコントロールすることが可能で、
犯罪歴がないことも紛れもない事実であった。だが、対人関係的特性、
情動的特性、そして行動的特性に関して、サイコパスの特性となる項目の多くが該当していたのである。』

このように一見サイコパスから遠く見える成功者であっても
向社会性サイコパスの性質を持つ場合もあるということです。

次に　https://youtu.be/pQWvja5XRa4　←のタイトル
「Ask a Psychopath」動画で紹介されている
M. E. Thomas の例を見てみます。

http://blog.livedoor.jp/rsuganami/archives/1818925.html
上記のブログを参考に抜粋します。

『ただ、犯罪を犯さない高機能の「サイコパス」にも欠点があるので、
その側面を理解しておかねばなりません。彼らは「平均的な人間」なら
感じる様々な感情を感じることができないため、気持ちのやり取りに
問題が生じやすいのです。』

「テレビに出ていた障害者をからかったら父に叱られた」
「悲しくて泣く人の気持ちが分からない」
「プールで溺れそうなオポッサムにホースで水をかけた」
「隣人の自転車を無断で半日借りた」
「当人はたいていハッピーな状態」
「３年ごとに仕事や人間関係が破綻した」
「「虚ろな自我感覚」しかないことに気づいた」

『トーマスさんは典型的なサイコパスには「喜び」「怒り」「空腹」
（空腹は感情ではないけれど）の３つの感情しかないと
半分冗談で話していますが、これはあながち嘘ではなく、
彼らの情緒的生活は極めて狭いものです。』

『これは様々なパーソナリティー障害に共通する「自我同一性拡散
（identity diffusion）」と呼ばれる現象で、
「しっかりとした自己感覚がない」のだと言えます。』

『セラピーを通して「自分という感覚」がしっかりしてくると、
感じられる感情のパレットが少し豊かになったそうです。
例えば「心が満たされる」という状態にもいろんなニュアンスが
あることが分かったし、何かに献身するとか、忠誠心とか、
落胆といった感情も味わうようになりました。』

『感情が複雑になったことは嬉しいのですが、生きることは
大変になったとも語っています。平均的な人間には様々な感情を
味わいながら生活する大変さがあるわけですが、それが少し身をもって
分かったということでしょう。』

『「不安」「悲しみ」「罪悪感」がよく分からない人たちが
いるんだと知っておくことは、とても大事なことだと思います。
そういう相手とどのような距離感で付き合えばいいのかが分かるからです。』

以上のように向社会性サイコパスは優れた実績と同様に
優れた内面を持っているかのように見えますが
その内実はどちらかといえば空虚であると言えます。