可もなく不可もない日
だいたいの一日を過ごし終えてから、鬱々としていたことに気づく。
電車の窓の黒い鏡に映った自分の顔の眉がいつもよりさらに下がって見えたり、
同僚が急いで作った書類の不備を笑顔で突き返せなかったり、
上から目線な人の態度を延々と考えてしまったり、
実家からの不在着信を見なかったことにするか迷ったり、
思い返せばあれもこれも、鬱々たる証拠だったのだ。
でも運の良いことにまだ今日は月曜日。疲れもそれほど溜まっていない。
さっさとシャワーの蛇口をひねって、ご飯を作って、それを八分目まで食べて、昨日買った近所の美味しいパティスリーの焼き菓子を食べよう。
何はともあれ幸福なのだ。
自分以外の誰かにうらやましいと思われなくても、今この腕の中にあるものは、出会った時間の上にあるものだから。
毛布にくるまり、持っている幸福を一つずつ数えるご自愛で、寒い夜をやり過ごすのだ。
〈今日のランチ〉
友人が教えてくれた中華。
味は普通とのことだったが、本当にかもなく不可もなく普通だった。持つべきは的確な友人。
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