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医師になって8ヶ月。救急科での研修を終えて。

こんにちは。
研修医1年目のChillです。

医師になって8ヶ月。
4.5.11月の3ヶ月間は救急科で研修しており
ついに昨日で終えました。

今日は救急科研修の振り返りです。


救急はいつどんな患者さんが来るかわからないし
瞬時な判断が求められる
とても緊張感のある場所です。
想像以上に大変でしたが、学びの多い3ヶ月でした。

一番印象に残っているのは
1週間以上お風呂に入らずトイレにも行かず失禁したままの状態で過ごし、両脚は腐敗してハエが体の周りに飛び回っている状態で搬送されてきた患者さんです。

普段普通に過ごしていたら
このような方達には出会わないでしょう。

そして、入院後には綺麗にしてもらって専門の方が介入してくれているので、社会的背景について考えることは少ないと思います。

しかし、世の中にはどうしようもなくて困っている患者さんや家族がいて、そのような人たちを救おうと頑張っている人たちがいるのだということを身に染みて感じました。
救急の現場ならではの経験だと思います。


患者さん1人を対応するのに色んな職種が関わります。医師、看護師、ソーシャルワーカー、事務、薬剤師、救急隊、行政などです。
色んな職種の方たちと関わる機会が多いのも救急です。

私たち医師が滞りなく医療ができるのは
そのような方たちがいるから
ということを忘れてはなりません。



ドクターカーに乗せてもらい、いつもとは違った現場での経験をさせてもらえたのも心に残っています。
ドクターカーは、救急車に医師が同乗して要請された現場に出向いて、病院に着く前から診療にあります。
ドクターヘリで患者さんを運ぶこともあります。


死亡診断する現場に行った記憶は今でも鮮明です。

その方はテレビや電気がつけっぱなしでお部屋は蒸すように暑いお部屋のベッドで裸の状態で亡くなっていました。

「孤独死」という言葉はよく聞きますが、実際にその現場を見たのはもちろん初めてで、これがそうなのか。と感情が動かされました。

実際に見るのと話を聞くのとでは心の動かされ方はまるで違います。

苦しい思いはしなかったかな。寂しくなかったかな。どんな社会的背景があったのだろうか。
など色々考えてしまいました。

ここでは、救急隊や警察の方も対応に当たっていました。
救急隊が病院に搬送するまでにどのような対応をしているのか、警察の方はどんな仕事をしているのかなども知ることができました。

救急隊や警察の方々はもっと厳しい現場に遭遇することもあるはずです。
この目で見て彼らの大変さを知っているからこそ、搬送時救急隊から引き継がれる時は「現場対応ありがとうございました。お疲れ様です。」
という気持ちがいつも湧いてきます。


救急科での研修が始まって2日目に血を見ただけで倒れてしまうような私でしたが、様々な症例を経験し、体力的にも精神的にも少しは成長できたと思います。

救急科での研修は終わりますが、これからもたくさんの当直があります。
当直は基本的に救急対応が仕事なので、これから先もまだまだ修行の日々です。

今は上級医の先生方がいてくれますが1年半後には全て1人で責任を持ってできないといけません。

これからももっともっと成長していけるように
不撓不屈の精神で頑張ります。

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