コナン定番の名セリフ「バーロ!」の初登場の衝撃の事実/エンタメ・リカレント「1周回って知らない名探偵コナン」第5巻③~第6巻①


5巻File10「見知らぬ来訪者」から6巻File1「仮面の下の真実」へと繋がるシリーズは単行本で次のシリーズに持ち越す初のシリーズ構成になっています。実は6巻で名探偵コナンといえばというぐらいお馴染みの台詞「真実はいつもひとつ!」と並んでお馴染みの「バーロ!」が初登場します。

結局「見知らぬ来訪者」である中年女性と終始仮面をつけて黒マントの「仮面の男」は、で女優の工藤有希子で推理作家の工藤優作だと後に判明するのですが、まぁそれまでは「黒づくめの組織の連中では?」「なぜオレの正体がバレた?前回の事件解決の時に新一の声なんか使ったからか?警部にオレの名前は出さないでくれって頼んだのに」「ハハハ、バカだな、みんなオレのせいじゃねーか」「蘭の所に戻ったら蘭たちが危険にさらされる!」と逡巡したり後悔したり焦ったりとコナン君、なかなかの狼狽ぶりでた。

結果、捉えられ空き家に閉じ込めら殺されそうになったり、なんとか空き家から脱出し米花ホテルまでたどり着いたものの、最後は隠れた場所も仮面の男に見抜かれて銃で額を撃ち抜かれる!という絶対絶命のピンチという追い込まれっぷりでした。そこで仮面の男に扮した父・優作からの種明かし。

そして全てがわかった時に飛び出したセリフが後にコナンの定番になる 「バーロ」なんですが・・・・・なんですが、ちょっと違う。

「だいたい気づかないお前も悪い!せっかくオレの小説に出てくる、この「怪人  闇の男爵(ナイトバロン)」に扮してたのに…」と笑いながら言う父・優作に対してと怒りながら言い返す場面で登場しました。

「バーロォ!それどころじゃなかったよ!」と。

あれ、「バーロ。」とか「バーロ!」 じゃなくて          「バーロォ!」なんだ・・・

ちゃんとした「バーロ!」はこの6巻を読み進めても登場しませんでした。

遡って1巻から読み返すと、見つけました!

この前のエピソード第5巻File9「すれちがい」で事件が解決した後、新一の家で、新一の声のコナンが暗がりで姿を見せないままのの蘭とのやり取りで。

しかしここでも

「バーロォ!泣いてんじゃねーよ、そんなにオレに会いたかったのか?」

と「バーロ!」でも「バーロ。」でもなく「バーロォ!」

「バーロ!」の起源(初出)はどこに?

衝撃の事実が!あったのです。

意外な箇所に「バーロォ!」でなく正真正銘の「バーロ!」が。

それは、表紙カバーの内側。

表紙カバーの内側は毎回、青山先生の一言なのですが(裏のカバー内側は「名探偵図鑑」)6巻のカバー内側で「バーロ」が使われていたのです。

仕事場にいれたPCがなぜマックじゃないのか?と皆から来るであろう質問を書いた後で

バーロ、日本人なら98なんだよ!(ホントかな―)

と日本愛を主張する時に登場していました。


6巻のFile2以降を読み進めたところFile10「アリバイは完璧」までには出てこなかったため、もしかしたら名探偵コナン史上最初の「バーロ」はまさかの青山先生による本編以外の表紙カバー裏内側ということになるかもしれません。
さらに表紙カバー裏のコメント中で出てくる青山先生が買ったパソコン「PC9821 XT」ですが調べてみたら、NEC製のデスクトップ型パソコンで1992年から発売され93-97年はNECの主力商品だったようです。

製品名の「9821」の「21」は21世紀に向けた9800シリーズという意味が込められていたそう。まさかの21世紀になってから20年以上も第一線で続いているのが9800シリーズではなく「名探偵コナン」とは嬉しい誤算です。

そして更なるどうでもいいコトに気づいたのがラスト。

「原稿放り出して日本に逃げてきたかいがあったよ」と         父・優作は妻・有希子にこのまま世界旅行に行こうかと誘ったところで、散々振り回されたコナン(新一)からの逆襲で、居場所を聞いた原稿を取りに来た編集者に追いかけられるのですが、その放り出し方がすごいのです。

少なくとも複数社が駆け付け、しかもそのうちの1社は残り308枚の原稿と・・・どんだけ放り出して来たんだ・・・!?

外国の雑誌社の編集者のようですから、400字詰め原稿用紙ではないのでしょうが、それにしても308枚ってすごい量を先送りしたまま日本に来たものです。
もし400字詰めなら12万3200字。雑誌が大特集を売りにする際に使う「1万字インタビュー」の実に12本分です。

そりゃ書いてないまま逃亡されたら編集者の気持ちは「バーロ」じゃなくて「バーロォ!」でしょうね。ではまた。

備忘録①
固有名詞シリーズ「米花」 今回はホテルでした。コナンが仮面の男の居場所を突きとめたのがこのホテルでした。ここまで「美術館」「公園」「町」「ホテル」と来ました。次は何だろう?

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