大学入試のアクシデントといって思い出す受験マンガとは?「東京大学物語」とは?/エンタメリカレント


31年ぶりに入試制度が変わった「大学共通テスト」の初日が終わりました。受験生の皆さんがいつものチカラを発揮できたことを願うばかりです。
一部の地域では大雪でテスト実施ができなかった会場もあったほか「マスクで集中できない」「コロナを気にせず臨みたかった」といつも以上に負担が大きかったようですが、受験のアクシデントというと思いだすマンガが「東京大学物語」です。

「東京大学物語」とは?
「BE FREE!」「まじかる☆タルるートくん」「GOLDEN BOY」「日露戦争物語」などで知られる江川達也先生のヒット作です。

北海道の秀才だけど妄想ばかりの高校生、村上直樹が同じ高校の水野遥に恋に落ち、一緒に東京大学を目指し、その後の大学生活を描いた作品で、稲垣吾郎さん主演でテレビドラマ化もされました。(ヒロイン水野遥役はV6イノッチの奥様の瀬戸朝香。)

高校生の恋と性の悩みを「ここまで0.1秒」、「ここまで0.001秒」という膨大な妄想とモノローグを一瞬であったことを表現する独特の演出が斬新なマンガで可愛い女の子が出るマンガという以外に、その手法が評価されるマンガでしたが、後半はその妄想の方向性や事実としての行動が壮大な性描写が多く、方向性が変わっていきます。

そちらの細かい作品評やあらすじはどこかのサイトを見ていただくとして、「受験」と「大学」という点に絞ると、主人公の村上直樹は高校の学年トップの成績で東大間違いなしの実力だったのに、同じ高校の英理に振りまわれて、普段のチカラを発揮できず、東大を不合格になります。
すべり止めの早稲田大学に入学するのですが、当時の「東大」という圧倒的な価値観に対して、中身のない「東大至上主義」の村上は、仮面浪人で再度東大を受験するのです。


この2回目の時も前期入試では遥が遭難し村上が受験を捨てて助けにいくというアクシデントがあり、後期で合格するのですが、このアクシデントはマンガの受験アクシデントなのに手に汗握ってしまったことを覚えています。

しかし、仮面浪人するほど東大に固執していたのに、入学してからは、起業するでもなく大学生活を満喫し性におぼれていきます。今描いていたら自堕落の描き方も変わったんでしょうかね。起業とか仮装通貨とか出てきたかもしれません。

一方、ヒロインの水野遥のほうは現役で東大合格するのですが、水野遥のほうは「大学を面白くする会」を立ち上げたりしつつも東大に疑問を抱き、休学を選んでいるのです。


しかも天然と言われがちな遥は幼い頃、その個性が回りと合わず、いじめられた過去も持っていたことも途中で明らかになります。

何年も前のマンガなのに遥を通して、「大学」って結局何?権威って何?という本質的な問いや、同調圧力への違和感、「個」と「生きる」と「ジブンらしさ」って何?という今なら「値感の多様性」という言葉が使われるような普遍的テーマを膨大なエロの中にさりげなくに入れ込んでいたことに読み返して気づかされました。

忘れていたところに過去エピソードで入ってくるあたり、あらためて江川達也先生は凄いなと思うと同時に、村上なら、こんな受験のアクシデントで不合格でいいと再度思ったのでした。

皆さんは村上の数百万倍ちゃんとしているでしょうから、アクシデントに負けずに明日も普段のチカラを発揮されることを願っています。

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