見出し画像

「犯人追跡メガネ」初登場はiPhone初登場の13年前?/エンタメ・リカレント「名探偵コナン」2巻②


リカレント(学び直す)するシリーズ、今回は「名探偵コナン」第2巻を読み返して気づきを探す「その②」です。

コナンの定番アイテムの御三家のひとつ「犯人追跡メガネ」が第2巻File4「行方不明の男」で初登場しています!

「犯人追跡メガネ」とは「半径20キロ以内ならどこに居ても居場所が割り出せる阿笠博士の発明品。」
今だとケータイ落としても「iPhoneを探す」で一発で場所わかるし、範囲が限定されるなんでそんなにすごくないよと思う皆さん、待って下さい。


このエピソードの初出が1994年であることを知った上で読み直すと感慨深いです。なんたってiPhoneの登場が2007年1月なので約13年前、GPS機能のケータイサービスがKDDIで2002年10月に始まったそうですから19年前のことになります。。
https://www.lnews.jp/backnumber/2002/08/7562.html

そしてFile4から始まる事件は、実は大事なシリーズです。

最初は何の変哲もない探偵事務所に人探しの依頼というストーリーから始まるFile4「行方不明の男」から始まり、二重三重に伏線が貼られて、File7「悪魔のような女」のラストでは「名探偵コナン」の縦軸のストーリーの一つともいえる「黒づくめの「組織」に進展が見られる大事なシリーズです。

この「黒の組織10億円強奪事件」シリーズのキーマン・謎の女性・広田雅美(「黒づくめの組織」に繋がり灰原哀の姉・宮野明美)が登場するのですが、読み返すと、どうでもいいことにまたここでも気づかされます。

画像1

最初の登場時に山形から出てきた高校生を装うメイクは、女性だったら教えてほしいくらいの驚きの若見え変身メイク。いくら美人で若い肌だったとしても、おさげにするだけだったら、普通はかなりイタイ人になること間違いなしのところ、やぼったさといい幼さといい完璧な出で立ちでコナンや小五郎・蘭に接しています。今なら美容系YouTuberとして変身メイク動画やったらすごい再生回数だろうなと虚実ないまぜの妄想をしてしまいました。

そしてFile7で再びジンとウォッカが登場。しかしまだここでも名前は出てきません。‘1話でもウォッカがジンを「アニキ」というばっかりで、呼称はなかったのですが、今回も明らかにならず、組織のカラーが「ブラック」ということだけがわかるにとどまりました。

よくそれで10億円強奪企てるよなと、当時おいおいと思ったものですが、後に「妹が人質に取られている」というセリフがこれほどまでに意味を持つとは読者のほとんどが思わなかったことでしょう。

でもそれなら「最後に託す一言は、10億円の場所よりも、妹のことか両親のこととかメッセージ託すんじゃないのかというツッコミは無しです。その先を読んだ今だから思うこど。徐々に明かされていくのが醍醐味とすれば、この時点ではこれで十分なセリフとしましょう。
「組織」に強要されながらも、最後の最後で屈しなかったという美学が後に灰原哀の行動にも反映されて物語に深みをましていきます。さすが青山先生。

次回は少年探偵団初登場の第2巻File8「恐怖の館」以降をリカレントしたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?