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UP DATE-知識の更新-

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医学は常に進歩する。今日得た知識が明日には死ぬかもしれない。このマガジンは理学療法についての知識を更新していくためのもの。
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#看護師

足関節背屈可動域制限の原因

はじめに足部には衝撃吸収と身体の推進という相反する機能が求められる。 歩行では約10°、ランニングでは約30°の足関節背屈が必要。 スクワット、階段昇降、しゃがみこみ動作で必要となってくる。 足関節背屈可動域制限の原因中足部・後足部の外がえし可動性&下腿アライメント 荷重位での足関節背屈動作では、まず踵骨(距骨下関節)の外がえしと軽度外旋が生じる。 これに対し距骨は内旋・底屈、下腿は内旋が生じる。 このことから、距骨下関節外がえしの可動性低下や下腿アライメント不

中殿筋-前部線維と後部線維の重要性

中殿筋は片脚立位保持や歩行において骨盤側方傾斜を制動して安定させる重要な筋である。 しかし、臨床では中殿筋の前部線維と後部線維を一括りに訓練しているセラピストが数多くいる。 前部線維と後部線維と分けながら考えることで中殿筋の訓練がより効率的になると考えられるため、今回は中殿筋についてまとめていきます。 中殿筋の起始停止 起始:腸骨翼の殿筋面、腸骨稜外唇、殿筋腱膜 停止:大転子の外側面 中殿筋の作用 中殿筋は最も強力な股関節の外転筋である。 筋線維は上図のように前部

「統合と解釈」を制す者は「臨床」を制す

皆さんは「統合と解釈」という言葉をご存知ですか? 私は学生の頃に実習先でこの言葉を知りました。 理学療法評価過程で何が一番大事であるかと問われると、セラピストの多くは統合と解釈であると返答するものが多いと言われているほど。 しかし、統合と解釈についての報告は少なく、分かりやすくまとめているサイトも少ないのが現状です。 また、セラピストによって少し考え方が異なっていたりするので、一概にこれが正解であると言うことは難しいと思います。 統合と解釈について、以下の文献や参考書

骨盤後傾-骨盤肢位による筋活動の変化を深く追求-

よくリハビリテーションでは骨盤後傾している患者をみます。 骨盤後傾していると何が良くないのでしょうか? 「臀筋や腹筋の収縮が入りにくい」 「腰椎の前弯が減少する」 これらがよく挙げられていますが本当にそうなのでしょうか。 また、骨盤後傾による影響はどれほどのものなのでしょうか。 今回このようなことが気になったので文献を探して調べてみました。 骨盤後傾が股関節外転筋の筋活動に与える影響 骨盤後傾により中臀筋の筋出力が低下し、歩行時の股関節側方不安定性に関与するのは、よ