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episode 9: 菜食育児の離乳食

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こんにちは!
ゆるっと菜食育ラジオの、のりこです。
ゆるっと菜食育ラジオとは、10分で「菜食 x 食育」すなわち「菜食育」に関して定期的にお届けする、ラジオ感覚で聞いていただけるポッドキャストです。
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私は現在3歳と1歳の子供を妊娠の時から100%菜食で育てています。そんな中で、離乳食についてよく質問をいただくので我が家流にはなりますが、菜食離乳食について今日は共有しますね。Let's gooooooo!


離乳食の開始時期にびっくり

第1子である長女が生後4ヶ月ほどになると、定期検診先や家族から「そろそろ離乳食かな?」と言われ始めた。初心者ママだった私は「そうか!準備せなあかん」と思い、早速研究を始めた(知る人は知るけど、私はとことん調べるタイプよ)。

そこで個人的にびっくりだったことをまとめると:

離乳食は歴史的には早くても生後6ヶ月からで、1歳や2歳まで待つこともあったのだとか。(エジプトは今だに2歳くらいまで始めない、と先日ヘブライ語の先生から教えてもらったり)
数十年前、アメリカで突如生後4ヶ月からピューレ状の食べ物を与える風習が始まって以来、日本も含め世界的に4ヶ月を当たり前とする空気が流れた。どうやら女性の職場復帰のタイミングが大きく影響しているんだとか。
・ただ、近年(ここ10年ほど)ではアメリカを含む西欧諸国の研究では生後6ヶ月より早い離乳食にメリットはあまり無い、との結論が出たことで、アメリカも生後6ヶ月に開始時期を戻したそう。
日本では統一されておらず、前の世代の影響もあり、今だに生後4ヶ月くらいから開始するのが一般的

大雑把な私は、

ほな、生後6ヶ月まで離乳食は忘れよう!

と楽観的になったのだった(笑)

BLW(Baby-Lead Weaning)という発想

離乳食の開始時期を遅らせたは良いの、いつかはせなあかんと思い「何をどうする」のかを調べ始めたら早々に出会ったのがBaby-lead weaning(BLW)というメソッドだった。

Baby-lead weaningを意訳すると「赤ちゃん主体的の離乳食」だろうか。親や保育者が「あーん」と言いながらスプーンで離乳食を「食べさせる」一般的なメソッドに対し、BLWは「はい、どうぞ」と赤ちゃんの分の食事を盛り付けて、勝手にフリースタイルで、しかも最初は主に手掴みで、食べてもらうスタイル。

気を付ける点としては:

掴みやすい形状にする(例えば棒状のおにぎりとか)
・喉に詰まらせないために、大人の小指より細い幅でお野菜などは提供
歯茎で噛み砕ける柔らかさの食べ物からスタート
・食べ物の本来の形、姿、色がわからないようなピューレや液体にはしない

そして特段「ルール」ではないが推奨されているのが、親と同じ食べ物を食べる(もちろん塩分だけ調整して)。こうすることで社会性や家族で共有する楽しい食卓の感覚を早くから感じてもらえるんだとか。

まぁ確かに、自分だけ液体のドロっとしたものを、自分のタイミングで食べられず、口に押し込まれるはいい気分では無いよね….赤ちゃん目線で考えてみたらBLWは理にかなっていた。

そして、何よりも「遊びの延長で食べる」という時間になっていたので「食べること=楽しい発見」という印象が育まれているのが目に見えて伝わってきた。

BLWを菜食で?!メリットとデメリット

生後6ヶ月ごろ、娘が食べ物に興味を示し始めたので、とうとう我が家でも離乳食を始めた。BLWもなかなか珍しい気はするが、それを100%菜食でやっている家庭もなかなか普通に過ごしていると会わないので、最初は不安もあった。

でも、やってみるとまぁ簡単簡単!想像していた離乳食期と全然違うではないか!笑

まず、食事の準備が今まで通りなのが一番デカかったかな。最後の味付けの前に少しだけベビーの分を取り除いて、大人の分は塩で味付け。手間が増えなくてハッピー。

そして、食べさせなくて良いので、食卓で熱々のご飯をママもパパも楽しめる。おまけに、ベビーが面白い顔しながら初めての食材を探検するのが拝見できたのも大きい。余裕な気持ちでエンジョイできる。

そして菜食なので、食べられない食材が無い!バナナやアボカドなど、柔らかいものから始め、ただただ色々な食材を順次置いていくだけ。楽すぎて、なんのなんの。

手先の発達が早っかた。娘は、クラスでいち早くスプーンを使って自分で食べ始めたし、2歳の時からお箸を使っている(下手だが、使える範囲だと思う)。甘えん坊でBLWよりは食べさせてもらいのが大好きな息子も、娘と同じようなペースで手先の発達が進んでいる。このメリット、大人になる頃にはメリットでもなんでもないかもしれないけど、手先が器用だと本人も探検できる範囲が増えて楽しそうである。

さあ、BLWは良いことばかりなのかとツッコミ入れたくなる人もいるかもしれないのでデメリットも挙げると、強いていうなら1つしか感じなかった。

手掴みで好き勝手に柔らかい食べ物を赤ちゃんに与えているのよ。想像できるでしょうか。食後の食卓周りの床の状態を。笑

食後の掃除は、絶対的に一般的な離乳食の方が楽に違いない。

家族の理解

さて、BLWと菜食を合わせるというとんでもなくユニークな組み合わせで育児をしていると周り(特に家族)の反応は様々だった。10倍のお粥とかから始める食材リストを当たり前としている世の中で、我が家では手掴みで最初からバナナやおにぎり(しかも玄米!笑)をあげているのだ。

そりゃ色々言われましたよ:

・喉詰まらせない?
・バナナは非加熱なの?えー
・玄米は消化に悪いのでは?
タンパク質源は?
・子供はもっと栄養が必要よ

私の返し方?

ご心配いただき、ありがとう💓

アレルギー対応について

さて、私が当初から気になっていた菜食BLW唯一の懸念点。それはアレルギー対応についてだった。植物性の食品のアレルギーの有無は菜食のBLWで十分把握できるが、動物性食品のアレルギーに関しては把握できない。中でも心配だったのがコンタミネーションがよくある乳製品、卵、エビ、カニだった。

例えば、
ずっと菜食で育った我が子が友達のケーキを分けてもらって食べて、そこで重度の卵アレルギーが発覚したら?とか。
ヴィーガン商品だけど製造ラインでエビが含まれる他の製品も製造されていて、コンタミネーションでエビのアレルギーが出たら?など。

菜食を貫いた結果、将来私がいないところで動物性食品にアナフラキシー反応を起こしたら?!

迷いは拭えなかった。
結果的にどうしたかって?いつも通りよ。調べまくった結果、親に重度の食材アレルギーが無い場合、子供が重度のアレルギーを持つ可能性は極めて低いのだとか。

これならリスクも最小限かなと思い、今も100%菜食で育てている。
ちなみに、宗教上の理由でユダヤ人は甲殻類を食べない。彼らは、エビやカニのアレルギーを「確認」できないまま育つわけで。
とかそんなことに気づいたら、迷いは消えましたね。

保育園との連携

さて、長女も長男も生後7、8ヶ月から保育園に登園している。離乳食真っ最中だ。通っている保育園には菜食の給食弁当の持ち込みをOKしてもらったのはありがたいがBLWに関していかに?とハラハラしていた私。

なんと入園前に「普段は手掴みですか?食べさせてますか?」と向こうから聞かれた

ともすると日本ではBLWって一般的だったのか…???

こちらの意向を伝えて以来、今日まで、なるべく本人に任せるスタンスで保育園でもBLWを対応してもらっている。ありがたやー。

でも絶対言えることは、我が家ほどワイルドにはさせていないだろうなというところくらいだとうか(笑)

「フォローアップミルク」というコンセプト

最後にフォローアップミルクについて一言。離乳食について色々模索すると必ず出てくるコンセプト。食事と母乳(またはミルク)の混合で生活する中で、一時的ではあるが、子供が吸収する栄養が下がる時期が必ずある

この時期を「サポート」する意味で存在する「フォローアップミルク」というコンセプト。補う意味をこめて粉ミルクまたは牛乳を子供に与えるという発想だ。

私の結論は「長い目で見たら正解は無い」だった。
母乳やミルクではなく、食事から栄養を吸収することに慣れると、子供は体重や体内栄養素のバランスを戻していくし、そもそも吸収率が落ちるのは一時的な現象。

菜食だから、とかではなく、そもそも要らないかな、という結論に至った。
なので、牛乳の代替となりそうな豆乳やその他のサプリもあげていない。

なんだかんだ、2人とも成長曲線内で順調に育っているし、年に1回イスラエルで実施しているヴィーガン向け血液検査(日本ではまだ見つからない!)では特に栄養の過不足なく生きている。

まだ先はわからないけど、今のところこれで良いんじゃないかな!と思っている。そして長女に関しては、間違って乳製品や卵入りのケーキをもらって食べた経験もあるし、子ども食堂で間違ってシラスが出てきて食べた経験もある。が、心配していたアレルギー反応は無し。

誰かの参考になるといいな!

さて、次回は運動とメンタルヘルスの関係についてお話ししようかな!

The END

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