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新型コロナ後の東アジア・太平洋地域の子どもたちの未来――ユニセフ報告書

 ユニセフ(国連児童基金)東アジア・太平洋地域事務所は、8月18日、報告書「Recover、Rebound、Reimagine――東アジア・太平洋地域のすべての子どものための、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)危機後のより良い未来の構築」(Recover, Rebound, Reimagine - Building a better future for every child in East Asia and the Pacific, post COVID-19)を発表しました。

★ユニセフ(日本ユニセフ協会):# 後戻りさせない 新型コロナウイルス後により良い未来を築くために ユニセフ 東アジア・太平洋地域事務所 報告書発表

 この報告書(PDF)のキーワードに位置づけられている“3R”の概要は次のとおりです(単語の訳語は一部平野が修正しました)。

Recover(回復):必要不可欠なサービスの提供を回復し、成功した介入策を拡大する。特に、基礎疾患があるためにウイルスに感染しやすくなっている子どもたちを支援する。
Rebound(立ち直り):子どもたちの回復力を育み、最も弱い立場にある人々を保護する。例えば、この地域の各国政府が家族への現金給付の支給を確保し、新たに貧困に陥った人々を含め支援を受けられる人の数を増やすよう支援する。
Reimagine(再創造):より公平で包括的、かつ回復力のある社会を実現し、近い将来の災害にも対応できるようにするために、実験的なマインドセットを用いて課題に取り組む。

 具体的な課題としては以下のものが挙げられています。

●社会経済的影響の緩和
●万全の準備・対応
●手洗いの習慣化
●定期予防接種の回復
●学校の適切な再開
●オンライン・オフラインのリスクの低減
●栄養に対する新たなアプローチ
●気候変動とCOVID-19
●移住者・難民・国内避難民
●思春期の子ども・若者
●メンタルヘルス
●ジェンダー平等
●ビジネスと家族にやさしい政策


 教育との関連では、世界の子ども(学齢期)の3人に1人が遠隔学習を利用できていないという調査結果も、やはりユニセフによって発表されています(8月27日、詳細はこちら〔英語〕を参照)。また、女の子の学校復帰に関して、「平等な復興:女子の学校復帰ガイド」Building Back Equal: Girls Back to School Guide)も発表されています(8月25日、マララ基金、プラン・インターナショナル、ユネスコ、UNGEI〔国連女子教育イニシアティブ〕、ユニセフ)。これについてはプラン・インターナショナル・ジャパンによるリリースも参照。

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 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後の社会のあり方を国際的・地域的視点から考えていくうえで、こうした資料も参考にしていく必要があるように思います。

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