ウェールズ子どもコミッショナー、親向けの子どもの権利条約ガイドページを開設
「子どもの権利アプローチ」を推進するためにさまざまな取り組みを行なっているウェールズ(英国)の子どもコミッショナーが、国連・子どもの権利条約に関する親向けのガイドページ "UN Convention on the Rights of the Child - Guide for parents" を開設しました(6月13日発表)。
ガイドページは次の4つのパートから構成されています。
● はじめに(Introduction)
● 発言権がある(Having a Say)
● 可能性を最大限発揮できるような育ち(Growing up to reach their full potential)
● 安全でいる(Staying Safe)
たとえば〈発言権がある〉のパートでは、
「すべての子ども・若者に、自分たちに影響を及ぼす決定における発言権があります。
つまり大人は、子どもに影響を及ぼす決定を行なうときは常に、意見を共有する真の機会を子どもに与えるべきですし、子どもの意見を真剣に考慮すべきだということです」
と説明したうえで、〈子どもは具体的にどのような権利を持っているか?〉として国連・子どもの権利条約の12条(子どもの意見の尊重)と13条(表現・情報の自由)の条文が紹介されています。
そして、最低限期待できなければならないこと(What you should expect - The Minimum)として、次のように説明しています(太字は原文ママ)。
これに加え、他に期待できること(What else can you expect?)として、ウェールズには次のような取り組みを行なっている機関があることも紹介されています(Some real-life examples として具体例も2つ挙げられています)。
あわせて、2010年子どもおよび家族(ウェールズ)法の12条で、
「地方当局は、子どもに影響を及ぼす地方当局の決定への子どもの参加を促進しかつ推進するために適切と考える取決めを行なわなければならない」(1項)
と定められていることも付記されています。
また、〈可能性を最大限発揮できるような育ち〉のパートでは、子どもの権利条約の関連条文を紹介したうえで、▽障害、▽追加的学習のニーズ、▽差別、▽遊び、▽親の役割の各問題について。法制度や相談先などが紹介されています。
これらのパートでは子どもの権利条約を踏まえた法制度や取り組みを紹介することが主眼になっていますが、〈安全でいる〉のパートではもう少し具体的なアドバイスが掲載されています。たとえば、虐待との関連では次のように書かれています。
子どもコミッショナー/オンブズパーソンの重要な機能のひとつに子どもの権利に関する意識啓発がしばしば挙げられますが、その実践例のひとつとして紹介しておきます。
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