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体罰を容認する大人が約6割から約4割に減少――セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの調査結果

★セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン:大人と子どものしつけにおける体罰等に関する調査結果を発表 体罰を容認する大人が減少 約6割から約4割へ
https://www.savechildren.or.jp/scjcms/sc_activity.php?d=3524

 貴重な調査結果です。

 体罰禁止規定の施行(2020年4月1日)から約1年の間に体罰容認から体罰否定に転じた回答者にその理由を尋ねたところ、「虐待などのニュースを見聞きしたから」「体罰等が子どもに与える影響を知ったから」という理由が5割以上でもっとも多く、「法律で体罰が禁止されたから」という理由をあげた回答者は2割弱だったということですが、法改正にともなう社会的言説の変化が影響を与えた可能性は十分にあるでしょう。

 一方、依然として体罰を容認する大人も約4割存在し、「お尻をたたく」「手の甲をたたく」などの行為についてはほぼ半数が容認しています。また、〈子どもアンケートでは、体罰等に相当するいずれの行為も容認する子どもが一定数おり、かつ年齢が上がるにつれて容認度が高まる結果〉が出ていることも気になるところです。

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 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが4つの提言のなかで指摘している、
〈子どもに対する体罰等を容認しない社会をつくるために、効果的な啓発活動を推進すること〉
〈子どもの権利を、大人と子ども自身へ啓発、普及し、教育していくこと〉

 などの取り組みを強化していくことが必要です。

 この点、国レベルでの法改正に先駆けて「東京都子供への虐待の防止等に関する条例」(2019年4月1日施行)を制定して「体罰その他の子供の品位を傷つける罰」を禁止し(6条2項)、
「都は、学校、学校の授業の終了後又は休業日における子供の活動場所等において、子供に対し、自身が守られるべき存在であることを認識するための啓発活動及び権利侵害に関する相談先等に関する情報提供を行うものとする」(8条2項)
 とも定めた東京都(Facebookへの以前の投稿も参照)でどのような取り組みが行なわれ、大人・子どもの間でどのように意識が変わってきたのかも、知りたいところです。

 東京都児童虐待防止公式ホームページ〈東京OSEKKAI化計画〉でもさまざまな啓発活動が紹介されていますが、いまのところ意識調査が実施された様子はなく、また子ども向けの啓発・情報提供はまだまだ少ないように思われます(東京都が実施した「人権に関する都民の意識調査」(2021年2月9日発表)でも、子どもの人権に対する関心は高い(54.4%)のですが、虐待・体罰についての具体的設問はありません)。都議会本会議で本日可決され、4月1日から施行される見込みの「東京都こども基本条例」ともあわせて、意識調査を含む取り組みを強化していく必要があります。

 なお、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンによる調査の結果については、以下のように報じられています。

-弁護士ドットコム:しつけのための「体罰」容認、15ポイント減少…「お尻をたたく」に世代のズレ
https://www.bengo4.com/c_18/n_12855/

-朝日新聞:子どもに体罰、4割が容認 殴る叩く蹴る…2割減ったが
https://www.asahi.com/articles/ASP3T66W9P3TUTFL00T.html

-毎日新聞:保護者の55%「しつけで子どもたたいた」 国際NGO調査
https://mainichi.jp/articles/20210325/k00/00m/040/407000c

-読売新聞:「しつけのための体罰」20歳以上の4割が容認…子育て世代の40~50代に高い傾向
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210325-OYT1T50199/

-共同通信:尻や手たたく、半数の大人が容認 親による体罰で意識調査
https://this.kiji.is/747843994698891264?c=39546741839462401

-テレ朝ニュース:「しつけ」で体罰 容認する人が4年で15%減少
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000210984.html

(追加)
-東京新聞:<子どものあした>子どもへの体罰「容認」4割に減少 法改正で啓発進む
https://www.tokyo-np.co.jp/article/93756

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平野裕二
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