「健康的な環境に対する子どもの権利」のASEANにおける保護・促進に向けて
9月25日には国内外で「世界気候アクション0925」が行なわれました。Fridays for Future Japan は、日本政府等に対し、(1)1.5度目標の達成と早急な対策の実施、(2)公正な政策決定のプロセス、(3)若者の意見の尊重の3点をとくに求めています。
健康的な環境に対する子どもの権利をめぐっては国際的にさまざまな動きが起きていますが、ユニセフ(国連児童基金)、UNEP(国連環境計画)およびOHCHR(国連人権高等弁務官事務所)の地域事務所は、健康的な環境に対する子どもの権利をASEAN(東南アジア諸国連合)地域で促進・保護していくための政策ガイダンス草案を発表し(9月1日)、意見募集を実施中です(提出期限:10月23日)。
★ CALL FOR INPUTS: Policy Guidance for Promoting and Protecting Children's Rights to a Healthy Environment in the ASEAN Region
https://bangkok.ohchr.org/call-for-inputs/
「ASEANにおける安全、清潔、健康的かつ持続可能な環境に対する子どもの権利に関する指導原則」(Guiding Principles for Children's Rights to a Safe, Clean, Healthy and Sustainable Environment in ASEAN)と題するこのガイダンス草案(PDF)は、国連人権理事会第44会期で開催された「健康的な環境を通じた子どもの権利の実現」に関する討議(7月1日)を受けて、7月中旬~下旬にかけて行なわれたバーチャル専門家会合でとりまとめられたものです。37項目の原則が掲げられた今回の草案は政策ガイダンスの第1部として位置づけられており、第2部ではこれらの原則を実施するための具体的措置が提言される予定です。
(追記:この文書は、「ASEAN地域における安全、清潔、健康的かつ持続可能な環境に対する子どもの権利についての原則および政策指針」 Principles and Policy Guidance on Children’s Rights to a Safe, Clean, Healthy and Sustainable Environment in the ASEAN Region として最終的にとりまとめられ、2021年10月7日付で公表されました。)
以下、草案に掲げられている9つの一般原則(General Principles)を紹介します(太字は引用者=平野)。これらの諸権利は、すでに国連・子どもの権利条約などの国際文書で保障されている(=国に保障義務がある)と考えることが可能でしょう。
これらの一般原則を実現させるために必要とされる残りの原則の概要は、次のとおりです。
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