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ノーベル賞受賞者ら、新型コロナ対策に関して子どもたちへの「公正な配分」を呼びかけ

 9月9~10日にかけて、「子どもたちに公正な配分を」(Fair Share for Children)サミットがオンラインで開催されました。

★ East Mojo-Nobel laureates, leaders discuss emerging global child rights crisis
https://www.eastmojo.com/national/2020/09/12/nobel-laureates-leaders-discuss-emerging-global-child-rights-crisis

 このサミットは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界の子どもたちに及ぼしている影響とその是正策について検討するため、「Laureates and Leaders for Children」(子どもたちのためのノーベル賞受賞者とリーダー)が主催したものです。ノーベル平和賞等の受賞者のほか、国際機関の代表、いくつかの国の国家首脳、若者団体の代表などがオンラインで参加し、国際社会および各国政府が今後とるべき対応について議論しました(プログラムはこちら)。

 同団体の創設を呼びかけたのは、2014年にマララ・ユスフザイさんとともにノーベル平和賞を受賞したカイラシュ・サティヤルティさん(インド)です。カイラシュさんは、前掲記事で、
「〔COVID-19に対する〕国際的対応は、ぶざまなほど不平等で、不公正で、道義に反しています。Laureates and Leaders for Childrenが発表した『公正な配分』報告書が明らかにしたところによれば、世界がCOVID-19対策に費やしてきた8兆ドルのうち、もっとも脆弱な層に配分されたのは0.13%にすぎません」
 と指摘しています。サミットでは、このような不公正を是正する目的で、世界でもっとも周縁化された状況に置かれている20%の子ども・コミュニティの緊急のニーズに対応するために少なくとも1兆ドルを配分することなどが要求されました。

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 カイラシュさんが言及している報告書『子どもたちに公正な配分を:COVID-19によって一つの世代が失われることを阻止する』(A Fair Share for Children: Preventing the loss of a generation to COVID-19)はこちらのページからダウンロードできます。全般的勧告に加え、▼児童労働、▼子どもの飢餓、▼移動の状況にある子ども、▼教育などの分野について詳細な勧告が行なわれています。SDGs(持続可能な開発目標)との関連も強調されています。

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 サミット直前に行なわれたカイラシュさんのインタビュー記事も紹介しておきます(この媒体は他にもサミット関連の記事を多数配信しています)。

★ Inter Press Service-Exclusive: Kailash Satyarthi Warns over a Million Children Could Die Because of COVID-19 Economic Crisis
http://www.ipsnews.net/2020/09/exclusive-kailash-satyarthi-warns-million-children-die-covid-19-economic-crisis/

 子どもたちに資源を公正に配分することは、子どもの人権の観点からも、対策の効果や持続可能性の観点からも、重要な課題です。日本も、国内の子どもたちに資源を公正に配分すると同時に、国際的にもこの分野で主導的役割を果たしていくべきでしょう。

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