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人権擁護者の状況に関する国連特別報告者、人権擁護者である子ども・若者の状況に関するアンケートを実施中(~11月15日)

 人権擁護者の状況に関する国連特別報告者のメアリー・ローラー(Mary Lawlor)氏が、人権擁護者である子ども(18歳未満)・若者(32歳未満)の状況に関するアンケートを実施中です。来年〈2024年)3月の国連人権理事会に提出する年次報告書の参考にするためのもので、提出期限は11月15日となっています。

-Call for input to the report of the Special Rapporteur on human rights defenders to the Human Rights Council on child and youth human rights defenders
https://www.ohchr.org/en/calls-for-input/2023/call-input-report-special-rapporteur-human-rights-defenders-human-rights

「人権擁護者である子ども」(child human rights defenders)とは、国連・子どもの権利委員会が2018年に開催した「人権擁護者としての子どもの保護およびエンパワーメント」に関する一般的討議の勧告によれば、「自己の人権、仲間の権利またはその他の人々(大人を含む)の権利を促進するための行動を起こしている子ども」のことをいいます。また、Child Rights Connect が2020年12月に発表した『人権擁護者である子どもの権利:実施ガイド』概要はnoteで紹介済み)では次のように説明されています。

子どもの権利を含む人権の促進、保護および充足のために行動している子どもは、たとえそのように自認していなくとも、または他人からそのように考えられかつ呼ばれていなくとも、人権擁護者である。

 以下、アンケートのチャイルドフレンドリー版に掲げられた設問を日本語訳しておきます。他に加盟国(政府)向けと市民社会組織(CSOs)・人権擁護者向けのアンケートがありますが、内容はだいたい同じです。

1.あなたの国では、若者が人権のために活動していますか? 例を挙げてください。

2.あなたの国には、子ども・若者が人権擁護のための活動をするのを支援したり、活動の際に子ども・若者を守ったりするための法律やプログラムがありますか?

3.あなたの経験によれば、人権擁護のための活動をする若者はどんな問題に直面していますか? 例を挙げてください。

4.あなたの国では、人権擁護のための活動をする若者が意思決定に参加する機会はありますか? 若者の声に耳が傾けられていますか? 法律は、子どもにやさしいものになっていますか?

5.学校で人権について教えられていますか? 学校で、人権のための積極的活動が奨励されていますか?

6.あなたの経験によれば、人権のために活動する生徒・学生がそのあと学校や大学で問題を抱えることはありますか?

7.あなたの国で、人権侵害についてどこに通報できるかを知っていますか? 知っている場合、通報しやすいと思いますか?

8.人権擁護のための活動する若者は、メディアでどのように扱われていますか? そもそも、このような若者についての報道はありますか?

9.人権擁護者の状況に関する特別報告者は、人権擁護者である若者をどのように支援できますか?

10.ほかに、特別報告者が大切なこととして知っておくべきだと思うことがありますか?

 提出期限まであまり時間がありませんが、関心のある子ども・若者や市民団体のみなさんは、意見や情報を送ってみてください。なお、note〈日本、人権擁護者である子どもの保護とエンパワーメントを訴える共同声明に賛同(国連人権理事会)〉(2023年3月17日付)なども参照。

noteやホームページでの翻訳は、ほぼすべてボランティアでやっています。有用だと感じていただけたら、お気持ちで結構ですのでサポートしていただけると、嬉しく思います。