FANTASTICSと出会ってしまった話。

私はFANTASTICSが好きで、ガーデンシアターまでライブを見に行ってきた。正式には「FANTASTICS from EXILE TRIBE」。いわゆる「EXILE TRIBE」の1ユニット。

LDHのライブ恒例グッズのフラッグ。安いので参加記念にもなって良き。

私がこうしたフラッグを持ったのは6年ぶり。最後に持ったのはEXILEの2015年の「AMAZING WORLD」ツアーのとき。

そもそも私は2007年にEXILEを知った。そして2010年、当時中学生だった私は、家族ぐるみでEXILEファンの友人のチケットの枠に入れてもらう形で初めてEXILEのライブに行った。

広いスタジアムを走り回り、そこかしこでキレキレのパフォーマンスを見せてくれるメンバーたち。ボーカルの美しくもかっこよくもある歌声が響く空間。壮大な世界観と大掛かりなセット。演出をサポートする多くのキッズダンサーたち。

まさに「非日常」「非現実」。

EXILEが作り出すライブ空間の虜になった私は、1年に1度くらいのペースでライブに参加するようになった。

多くのメンバーの中でも、とりわけ私はHIROさんが大好きだった。
いつだって、どんな場でも全力で。HIROさんの持つダンスへの情熱とプライドが伝わってくる、迫力のあるダンスが大好きだった。
かっこいい曲だと凄みのようなものがあり、HIROさんが纏う雰囲気に圧倒されるが、明るい曲だと少年のようなキラキラした笑顔で踊ったりファンに手を振ったりする姿もあり、そのギャップにときめくことも多々あった。

例えば「Flower Song」は春に吹く暖かな風のような優しさがあり、EXILEの曲の中でも特にお気に入りの曲の1つだが、MVも大好きで、ずっとキリッとしていたHIROさんがメンバーと合流するとクシャッとした笑顔になるのが大好きで、数えきれないほど見た。


しかし、パフォーマーとしてのHIROさんは、私の前からいなくなってしまった。パフォーマーとしての勇退が発表された時には、衝撃と混乱でわけが分からなかった。最後のツアーの時には大学生になっていた私は、せっせとアルバイトをして現地に2回行き、最後のライブは映画館からLVを見て号泣した。未だにこの時の最後のライブの映像や、本当に最後だった紅白のパフォーマンス映像を見ると涙腺が緩んでしまう。

メンバーも増え、新たな体制で走り出したEXILE。
でも、私の大好きなHIROさんはもうステージにはいない。
私の中であまりに大きな存在になっていたHIROさんがいない事実を前に、どう頑張っても悲しみが勝ってしまった。
そしてベビネ(USAさん、MATSUさん、MAKIDAIさん)の最後のツアーとなった「AMAZING WORLD」ツアー。ベビネを見届けたくてこのライブを見て、オーディションからずっと世界さんという存在が気になっていたのだが、生活がごたついたのもあり、一度私はLDHからは離れた。


いろいろあって普通より遅れて就職し、生活が落ち着いた2020年。
アイドルマスターと声優さんのファンになっていた私のTwitterのTLで、にわかに「HIGH&LOW」が話題になっていた。
私も見てからじわじわとLDHが再燃し、2021年に「BATTLE OF TOKYO」の存在を知った。

「Jr.EXILE世代のメンバーがキャラクターになってる??」
「アニメ作ってるの、『Ingress the Animation』『明日世界が終わるとしても』のクラフターさん??」
「キャラクターに声優さんがキャストとしてつく??」
「これは今の私には願ってもないコンテンツになるのでは????」

というわけで、Jr.EXILE(といつの間にか呼ばれるようになっていた)世代を知ることにした。
GENERATIONSは武者修行を実際見に行っていたくらいには知っているので置いておいて、THE RAMPAGEをいくつか見てから、オススメにあったBALLISTIK BOYZを見て、更にオススメにあったFANTASTICSを見ることにした。

「FANTASTICSって世界さんと大樹くんがいるユニットだよなあ」
「ボーカルが入ったんだっけか」

と軽い気持ちでこの動画を再生した。


「このユニットは一体……!!??」
と衝撃を受けた。思わず5回はリピートして見ていたと思う。
スピード感のある変幻自在なフォーメーションに、パフォーマーソロパートでは個性が出まくっているのに皆で踊ると一体感があり、曲はかっこいいのにボーカル2人の歌声は柔らかさがあるのにしっかりマッチしている不思議さ。今までのTRIBEにはいなかった独特な雰囲気。何より全員のレベルの高さに驚いた。

FANTASTICSというユニットに、一瞬で夢中になってしまった。

勢いで見られるMVは全部見て、ライブダイジェストもいろいろ見て、
「とんでもないユニットと出会ってしまった」
としばらく呆然とした。
何となくゆるゆる追うつもりが、私がまたこんなにもLDHのユニットに夢中になるなんて、思ってもいなかった。

MVの中でも「Hey, darlin’」は特に驚いた。

「ああ、FANTASTICSはこういうことができるユニットなんだ」
と理解した。
恋が「始まってしまった」苦しさや、不器用でも狂おしいほどの愛を、ストリート系というよりアーティスティックな振り付けで表現できて、全員が踊りこなせて、身体で感情を乗せられる。
勇征くんの真っ直ぐな歌声と、颯太くんのどこかあどけなさの残る歌声がよりこの曲の雰囲気を盛り上げる。
2:07〜の澤本夏輝さん(澤夏さん)のがセンターの一連のパフォーマンスを見て、
「私、この人の魅せ方が好きだ……」
と心を掴まれてしまった。

(ちなみに後々「ホリナツのカンムリ(仮)」を見ていてこの曲の振り付けは澤夏さんと知り、再度頭を抱えるハメになる。)

何よりきっかけになった「BATTLE OF TOKYO」の「PERFECT MAGIC」。

New Jack Swingをベースにしているため、どこか初期のEXILEを彷彿とさせる曲調に、現代風にアレンジが加わっているこの曲は私の特にお気に入りで、おそらく一番聞いている曲だ。
歌詞を見ていると「Astro9のキャラソン」と言う表現が一番しっくりくるのだが、やはりどこかファンタに通じる部分もあり、「エモ」を感じる。

「PERFECT MAGIC 魅せてあげる」

という言葉は、(例外もいるが)スキルを駆使して完璧なショーをするAstro9のあり方そのものだが、最初に私がファンタを見た時に感じた変幻自在さや、パフォーマンスで人々を魅了するファンタらしさが出ていると思う。
(BOTの続報楽しみにしています)


更に続々上がるDance Practice Videoや「STOP FOR NOTHING」のMV、”なつなつ(堀夏喜さん&澤夏さん)”でのパフォーマンスを見て、気づいたら澤夏さんを見ている自分に気づき始めた。すらっとしていて手足が長く抜群のプロポーションで、ダンスがとても映える上に、澤夏さんのダンスは体の先端まで神経が行き届き、しなやかで伸びやかで美しく、でもどこか色気があって、つい目で追ってしまう不思議な魅力がある。


私の心がざわざわしている中、ついにこのMVが上がった。
そう。「Drive Me Crazy」だ。

黒を基調とした、ファンタのキーワードでもある「スタイリッシュ」さを全面に出したMV。
イントロ〜2サビ終わりまで1カットで目まぐるしく変わるフォーメーションと、1人の女性に夢中になってしまうメンバーたちのアプローチや、1カットなのを活かした振り付けに個性と遊び心が出ていて、非常に見応えのある映像だ。

イントロのなつなつの表情の違いに性格の違いや年齢差を感じたり、2番Bメロがなつなつコンビで踊っていてテンションが上がったりしていた。
そして2番サビ直前の「Let’s take a chance」の部分を見た。見てしまった。

最初は驚き過ぎて、何が起こったのかよく分からなかった。「澤夏さんが何かした」という認識だけはできた。よく分からなかったので見直した。

……もう澤夏さんを前にひれ伏す事しかできなかった。

その後の2番サビで勇征くんを押し退けてくるところや、よく見たらイントロで大樹くんの後ろで口元に手を当てているのがとてもセクシーで、
「ああ、私はこの人が好きだ」
と、何となく自分の中にあった「澤夏さんには落ちてない」という謎の葛藤に、負けを認めるしかなかった。
「誰かを全力で好きになっても、またいなくなってしまうかもしれないんだぞ」
と深層心理では思っていても、
「この人がパフォーマーである限り、この人のパフォーマンスを見ていたい」
という気持ちが勝ったのだ。

何回映像を見ても全く飽きる事はなく、むしろ新しい発見があって楽しい。基本定点カメラのDance Practice Videoは全体を見て、1人1人を見て、気が済むまで澤夏さんを目で追う。全体を見ているつもりが澤夏さんを見ていた、なんてことも多々あった。

そもそも私も趣味のレベルを脱することは無かったが、小さい頃から身体表現をしてきた。神経を指先まで研ぎ澄まし、美しさを追求してきた。
「7Floors」でのソロパートのターンを見て、おそらくバレエやジャズダンスの経験があるのだろうとは思っていたが、実際「ファンラジ」でバレエ経験がある、と澤夏さんはお話されていた。私が追い求めていたのと近いスタイルで踊る澤夏さんのパフォーマンスに、無意識下で心が反応していたのだと思う。

アルバム「FANTASTIC VOYAGE」が発売され、たくさんたくさんライブ映像を見た。ライブに行きたい気持ちがありながらも、現在も続くツアーは残念ながら本公演の東京公演は落選。
今年は会えないのかな、と諦めていたところに、追加公演の情報が!しかも、東京公演は東京ガーデンシアター。キャパシティがかなり大きい。これなら……!と申し込み、当選。こうして、無事にライブに参加できることになったのだ。

久しぶりのLDHアーティストのライブにどぎまぎしながらお洋服やネイルを考え、コロナ禍での開催なので必要なことのチェックをし、オンラインではフラッグが売り切れだったので現地物販に行かねば……と計画を練りながら、いざ当日。

やはりアイマスや声優さんのライブとはお客さんの雰囲気違うなぁ、なんて考えながら、私にとっては半年ぶりの東京ガーデンシアターに心を踊らせ、無事にフラッグとタオルを購入して、久しぶりのフラッグに感動しながら記念に撮ったのが、冒頭に載せた写真だ。
TRIBEモバイル枠で取ったものの、かなり後ろの方の席だったが、ガーデンシアターは天空席でも近くなるように作られているし、今の私には「生でファンタのパフォーマンスが見られる」だけで十分だった。

ほぼ定刻通りに開演。
曲が始まると、私の視界にはファンタの皆が!!
聞き馴染みのあり過ぎる曲と、全く飽きることなく見まくったパフォーマンス。
それが今、私の目の前で、生で、繰り広げられている!!

世界さんは鬼滅の煉獄さんスタイルの髪色ですぐに分かったが、他のパフォーマー陣の判別は遠くて顔等ではギリギリ分からない。でも個性あふれるパフォーマーたちは、見ていると遠目でもダンススタイルや背格好、衣装のスタイルで誰か分かった。

何より、踊っている姿を見て、
「あそこで澤夏さんが踊ってる……。」
と実感して震えた。
映像を見て憧れた人が、同じ空間にいて、変わらずに私が惚れたスタイルで踊っている。
澤夏さんのキレとしなやかさと美しさに、ライブを通してほとんど目を離すことができなかった。フォーメーションがころころ変わるので、ふと気がつくと見失うこともあったが、全体を見るとすぐに分かる。皆で踊っていてもすぐに誰か分かる個性の強さは、ファンタならではだろう。

ツアーがまだ続いているので、内容に詳しく言及することは避けるが、皆でパフォーマンスするところは一体感が本当に素晴らしいし、バラードでは1人ずつ魅せていく演出に心が震えたし、ボーカルで聞かせるパートは2人の歌声の表現力に胸がキュッとしたし、ダンストラックでは世界さんのソロパートが忘れられない。あのパフォーマンスを見られたことは、間違いなく私の宝物になっている。オーディションで初めて見た時から凄まじい人がいる思っていたが、お名前の通り、世界最高のパフォーマーだと思う。これから見るよ、という方は、ぜひ注目して欲しいポイントだ。

ライブが終わってから心がふわふわしていて、未だにどこか気持ちが上の空で、曲を聞きながら
「この曲の演出素敵だったなぁ」
「この曲のここかっこよかったなぁ」
と思い出に浸る今は、とても楽しい。

またファンタのパフォーマンスを見たい。今度はあの曲も見てみたい。2人の歌声をもっと生で聞きたい。

願いは止まらない。

今回私はこの1公演のみの参加だったが、このツアーを無事走りきり、この"旅"に一区切りつき、もしまたライブをしてくれるのならば、私はぜひ見に行きたい気持ちでいっぱいだ。

またあの9人に会える日を楽しみにしている。
今だってファンタは最高だが、みんなが、澤夏さんが、今よりずっとパワーアップして、私の前に姿を見せてくれると信じている。

そして、EXILEの20周年記念として、Jr.EXILEの4ユニットがそれぞれ4曲ずつEXILEの曲をカバーする、トリビュートCDの発売が始まっている。
先述の通り、私は「Flower Song」が本当に大好きで、アルバムに入っていたライブ映像でファンタがカバーしているのを知らずにEXILEカバーパートを見ていて、
「これでFlower Song来たら泣いちゃうなぁ」
と思っていたら本当にイントロが流れて思わず泣きそうになっていたのだが、今回のCDでも、ファンタがカバーしてくれている。
こんなに嬉しいことはない。
ライブ映像を見ている限り、とっても優しい曲に、柔らかなボーカルの歌声がとても良く合っていて、伸びやかに踊るパフォーマー陣も素晴らしく、とても良いカバーだと思う。
このCDの発売と、私が参加した日に発表された「FUN! FUN! FANTASTICS」の第2シーズンを楽しみに、今は日々を過ごそうと思う。


最後に、デビュー3周年おめでとうございました。
まだ私は少ししか応援できていないけれど、ほんのわずかでも、皆さんのお力になれているのなら、私は嬉しいです。

少なくとも、ファンタと出会って私は幸せです。
ありがとう。

もっとたくさんの人が、ファンタに出会ってくれるといいなぁ。

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