多様性のない森で動物達はお互いを知る
穏やかな陽気が動物たちを森の広場に誘った。
厳しかった冬の寒さが和らぎ、若い芽吹は樹々のあちこちで春の訪れを祝っていた。
一番乗りは小鳥たち。いつもより賑やかで、春の訪れを祝いひとときも黙るつもりはないようだ。新緑の枝に並んだ色鮮やかに縁取られた羽毛は、午後の日差しを一層と輝かせた。
続いて野ネズミの親子がやってきた。でもしきりに辺りを見回して、心配そうだ。
「大丈夫、誰もいないよ。」
一羽の小鳥がそういうと、父ネズミは立ち上がり軽く頭を下げた。
「ありがとう。僕等にも小