生きにくい彼女の恋物語
その昔、動物たちが暮らす森に雌の若いヤマアラシが住んでいた。
その娘は毛並みも良く美人と評判だったが、厄介なトゲのせいで他の動物たちと仲良くできずにいた。
彼女は日々苦しんでいた。もともとは彼女が幼いこどもの頃からだ。
家族同士、お互いのトゲが刺すからスキンシップのない家庭で育った。互いに傷つけ合う歪んだ関係は普通の家庭にはなかった。やがて父親が他所にその幸せを求めた。母親も散々悩んだ挙げ句、家庭を見捨てて安らぐ先で落ちついた。一人残された彼女に残ったのは人気のない広い家と