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癒やしの間

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キズを癒やせたら良いなと思い書いた作品です
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#動物

多様性のない森で動物達はお互いを知る

穏やかな陽気が動物たちを森の広場に誘った。 厳しかった冬の寒さが和らぎ、若い芽吹は樹々のあちこちで春の訪れを祝っていた。 一番乗りは小鳥たち。いつもより賑やかで、春の訪れを祝いひとときも黙るつもりはないようだ。新緑の枝に並んだ色鮮やかに縁取られた羽毛は、午後の日差しを一層と輝かせた。 続いて野ネズミの親子がやってきた。でもしきりに辺りを見回して、心配そうだ。 「大丈夫、誰もいないよ。」 一羽の小鳥がそういうと、父ネズミは立ち上がり軽く頭を下げた。 「ありがとう。僕等にも小

生きにくい彼女の恋物語

その昔、動物たちが暮らす森に雌の若いヤマアラシが住んでいた。 その娘は毛並みも良く美人と評判だったが、厄介なトゲのせいで他の動物たちと仲良くできずにいた。 彼女は日々苦しんでいた。もともとは彼女が幼いこどもの頃からだ。 家族同士、お互いのトゲが刺すからスキンシップのない家庭で育った。互いに傷つけ合う歪んだ関係は普通の家庭にはなかった。やがて父親が他所にその幸せを求めた。母親も散々悩んだ挙げ句、家庭を見捨てて安らぐ先で落ちついた。一人残された彼女に残ったのは人気のない広い家と