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癒やしの間

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キズを癒やせたら良いなと思い書いた作品です
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2023年2月の記事一覧

生きにくい片耳ウサギの物語

ヒトが言葉を覚え始めた頃 動物たちも言葉を詠んだ 動物たちの暮らす風変わりな村 ここは片耳ウサギの暮らす村 片耳ウサギは白毛を纏い 毎日なにか大変そうだ 仲間のウサギは草原で おしゃべり盛んに草を食む 片耳ウサギは隅っこで 悲しい目つきで空を眺めた 若い雄には付き合うが 心はどこか宙を舞う 時々自分に咬みついて 片耳ウサギは傷だらけ 父親ウサギはいじけてばかり 母親ウサギは怒って泣いた 悲しみ溢れた片耳ウサギ  飛び出しこの村住み着いた 慣れない笑顔、震える脚に

生きにくい彼女のこと

その昔、動物たちが暮らす森に雌の若いヤマアラシが住んでいた。 その娘は毛並みも良く美人と評判だったが、厄介な問題をひとつ抱えていた。 その年の冬はいつもより寒くて、近くの川も端が凍るほどだった。吹きすさぶ風の強さに動物たちも凍えて日々を過ごしていた。 余りの寒さに、森の真ん中にある大木の洞はタヌキやウサギに人気の集会場となった。互いにひしめき合って暖を取るのだ。 「あんまり押すなよ、はみ出るじゃないか」 「文句言うなよ。後から来たくせに」 ワイワイ、ガヤガヤ、枝に集まった小

身勝手ワガママ思いやり、愛のカタチは十人十色

傷つけずには いられないキミ 右手に残る 傷痕見つめ 何か気分が スッキリするの えぐれたココロを 不器用に癒やす 傷つかないと いられないキミ もっと私を 愛して欲しい 甘えすがって 歪んだココロ お互い傷つけ お互い様 傷つくことが 怖いキミ 口にも出せず 諦め顔で 空想 妄想 怯えたココロ 夜に枕を 一人濡らした 傷つけるのが 怖いキミ 終わりにしよう、と黙り込む 万策尽きた 疲れたココロ 互いに離れ 傷つかぬよう   愛にカタチが あるのなら きっとイビツで 

傷だらけのキミに伝えたい

少しの記事だけ 知ってるキミは 名前も顔も 分からないけど  助けて欲しい 言ってたキミに 届きますよう 願いをこめて 例えば、彼らは シカの群れ ついて行ったら 疲れてしまう 無理をしてたら 疲れてしまう  足はフラフラ 心はボロボロ 疲れちゃったら 休みなよ 自分のペースで 良いんだよ 人と比べて 悲しくなるより 自分を好きに なれたらいいね 自分を大事に できないと 大事なものを 大事にできない 心に余裕が ないからね 自分のことで いっぱいいっぱい キミはその