ドラマ「量産型リコ -プラモ女子の人生組み立て記-」
(ネタバレあり)
「量産型リコ -プラモ女子の人生組み立て記-」は、プラモをテーマにしたテレ東の深夜枠のドラマです。主演の与田祐希が演じる「量産型」という普通の女子は、プラモにハマっていながら、仕事にも、人間関係にも、恋にも奮闘し、成長して行きます。
いつもテレ東の「量産型」ではない深夜枠のドラマが好きです。子供の頃、「深夜枠」と言ったら、お化け話とか暴力シーンだらけのようなドラマが多かったようです。「量産型リコ」の場合は、怖いイメージが全くなく、深夜に落ち着いて観ることができます。そんなに緻密なストーリーではないですが、復讐ドラマや刑事ドラマや弁護士ドラマばかりを観たら、気分転換や、栄養バランスとして、「量産型リコ」のような新鮮なジャンルを観たくなります。
私はプラモが好きだとは言えないです。ドラマに出たプラモで、実際作ったことがあるのは「ダッシュ!四駆郎」の「エンペラー」しかありません。でも、「きっかけを探している時 好きは すでに走り出している」というドラマのセリフの通り、このドラマを観ることに決めた時点で、もうプラモにハマったかもしれません。もちろん、ストーリーで職場のシーンもたくさんあります。企画・原案・脚本の畑中翔太も、「この作品は『単なるプラモドラマ』にあらず」といいました。が、「単なるプラモドラマ」としても、このドラマを鑑賞する価値はまだあると思います。プラモの制作シーンを観るだけで、デザインの細かさや、制作の工夫や、想像力と愛着を込めて組み立てることに感心させられます。「何かに集中している姿って、カッコいいと思う」という男女関係の常識は、ドラマのプラモの制作シーンにも当てはまるようで、役者もプラモも「カッコいい」と思うようになっています。
私はテレビゲームの世代でした。学生時代に、同級生たちとだれかの家に集まったら、大体一緒にテレビゲームをやっていました。それに対して、「量産型リコ」の第六話の8歳の子は、よくユーチューブでゲーム実況者の動画を観ています。実は、現実の知り合いの中で、ゲーム実況好きの子供も結構いるみたいです。ゲームが好きなら、なぜ自分がするより、観るだけの方が好きか、理解しがたかったです。しかし、このドラマの「プラモは自由だ」のテーマを通して、少しわかるようになりました。プラモ制作を見ることとプラモを組み立てること、ドラマ鑑賞することと演劇部に入ること、音楽を聞くことと作曲すること、ゲーム実況を観ることとゲームをすること、人それぞれの趣味なので、他人が批判する立場にない、ということですね。
私は結末の流れが好きです。主人公の同期がまだ部署のエースになれないし、主人公の部署が解体されてしまったし、主人公の告白も失敗してしまいました。でも、大丈夫です。プラモをまだ続けています。そもそも、仕事も、恋も、人生の全部ではないですから。変えられない部分があっても、自由に組み立てられる部分があります。
ルールを自分で決められたら、「負け組」という言葉なんかない、ということを改めて自覚して、私も人生の後半で引き続き努力し、自分なりの人生プラモを組み立てます。
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