見えているものの後ろにあるかもしれないもの。

つい先日の朝に見た、ある光景が忘れられなくてずっと1日中頭に残ってた。なんとなく、残しておきたくてnoteに衝動的に登録してしまった。もしかしたらすぐもういいやって消すかもしれないけど、なんとなく。


出社前に洗濯物を干していたら、換気をしている窓から子供の泣き声が聞こえてきた。私はマンションに住んでいるので、どこかの階の子供が朝から泣いてるのかな~元気だな~くらいに思っていた。それくらい少し遠いところから聞こえていたその泣き声は、足元のカゴにある洗濯物が減っていくにつれて大きくなってきた。

「ん?」と思って近づいてくるそれをよく聞いていると「ごめんなさいごめんなさい」と言いながらギャンギャン泣く声と、話す内容はわからないけれど大人の女性の大きめに出しているんだろうなという声。
少し考えたけど、まさかね…?と思ってまだ化粧もしていないパジャマ姿でベランダから声の方向をのぞいてみた。


…特定されることは避けたいので内容に関係のない情報はなるべく減らして書きます。  


そこには一組の親子がいた。

泣いて謝っていた声がなかなかの大きさだったので(私の住んでいる階は5階より上)、万が一何かのトラブルやもし虐待だったら…、と思って覗いたのだけれど、私はそれではないとその時判断した。

というか、そういった現場ではなかった。

手を上げているわけでもない、罵声をあびせているわけでもなかったから、そもそもそういう要素は無かったし、少なくとも私は見ていた間にそういうことはなかった。

でも、とても苦しかった。  


私が遠くから見た光景(事実)と、そこから推測されること(憶測)が少し混ざるけれど、おそらくお仕事かどこかへ向かう予定がある母親と、小学校に登校する予定…の子供。

何があったのかわからないけれど、子供はランドセルを背負わずギャンギャン泣いて謝っていた。そして母親に「お願い」をしていた。
母親は登校を促し、とにかくランドセルを持つようにと言っていた。そしてギャンギャン泣く子供に少し困っているのか声は大きくなっていた。


子供のお願いは「一緒に来て」という内容だった。


ずっと泣いてお願いしているということは、母親は何らかの理由で一緒には行けないためそれを承諾できてないんだろうなと思った。

というか、小学生なので基本は子供だけで登校していたのだろうと思う。

ほどなくして、話して説得しても平行線だったためか、ランドセルを置いて母親は先に進んでしまった。
「いやだ待ってーーー」と泣きながら慌ててランドセルを背負った子供が母親を追いかけたところで二人とも見えなくなってしまった。

大丈夫かな…と心配になったけれど、反対側の窓から二人の話す声と泣き声が遠いけど聞こえてきたので、完全に置いていってはいないのかなと思った。私の家から小学校までは5分ほどの距離なので、進んだ二人のところからそう遠くはない。ので、登校に関して困ることはなさそうかなと思った。

その後すぐ私は出社のために家を出たのだけれど、おまわりさんがその二人がいた道にいて、近所の人に話を聞いている様子だった。すれ違いざまに聞こえた会話はその二人のことだったのかな…?と言う感じだった。これは完全な憶測だけど。
二人がそのあとどうなったのかはわからないけれど、なんだかとても気になってしまったまま1日を過ごしてしまった。


泣いている子供を見ていると心配になる。

でも、私は、その場にいた母親であろう女性に対してもとても心配な気持ちになってしまった。

状況だけ見ていると、そんなに泣かせてひどい、とか、ついて行ってあげたらいいのに…、とか聞こえてきそうな気持ちになる。けど子供ってほんとめちゃめちゃ泣くもんな。疲れ果てるまで泣くときもある。私も泣いたことある。


もしかしたら子供は何か学校に行きたくない理由があるのかもしれない。

もしかしたら女性はとても大事なお仕事がある日だったのかもしれない。

もしかしたら子供が学校に行きたくない理由は学校の大人に相談しても解決しないのかもしれない。

もしかしたら女性は今日は絶対仕事に行かないとあとでめちゃめちゃ大変なことになることがあるのかもしれない。

もしかしたら子供はほんとに大したことない(大人目線じゃなく子供自身もあとから振り返ったらそう思えるような)ことでワガママ言ってしまっているだけなのかもしれない。


もしかしたら女性も本当は優しく抱きしめてあげたかったかもしれない…。理由がワガママでもなにもかもほったらかして子供の頭をなでてあげられる余裕(時間的、精神的)が欲しかったのかもしれない…。


そう思ったときに、どうしたらいいんだろうって何でなんだろうってめちゃめちゃ苦しくなってしまった。

見えている光景の後ろにあるものを想像してしまって、かんたんに判断なんて出来ないよ…と思ってしまった。

でも

女性も子供も今日は笑顔で過ごせていたらいいのにな。明日も、その次もたくさん笑顔が増えたらな…って、知らない二人にだけれど、それだけは思う。


まとまらなくなってしまったので、終わり。










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