薬局が変われば地域医療が変わる

読んでいて終始感じたことは、薬剤師の方のvalueはどこになるのだろう、ということ。

以下のあたりを著者は課題視していて、

・薬剤師は医師に処方されたものしか処方できない。もちろん疑義照会とかで自身の判断を表明することはできるけれど、この基本構図のために価値発揮が難しい(結果、仕事へのやりがい低下につながるケースあり)
・様々な技術進歩により業務効率化を実現できる環境が整ってきているが、時間が生まれてもこれまでの慣習から抜け出せず能動的に新しいアクションを起こす薬剤師が少ない
・薬剤の知識はネットでも調べられるようになったので、簡単な知識の提供は価値につながりにくくなっている

それに対して、以下2点がvalueの発揮どころだろうと記している。

・単なるショットでの服役指導に終わらず、その経過観察をする
・バイタルサインを薬剤師もとり、より深い患者理解から処方提案を行う

対物→対人の流れになってきていることの理解にもつながる内容だったのだけれど、どこまで行っても「論ではわかるものの、薬剤師の方にとっての新しいアクションをするインセンティブはどこにあるのか」が不明だなと感じた。

もちろん、よりよい医療を届けたいという思いから薬剤師になっている方も多いだろうけれど、そのやりがいだけを頼りに行動変容を促すのは過去の経験上かなり壁が高く険しい道だと考える。
そのためにも、薬剤師の方の実態をもっと理解し、今の業務の延長線上のどこに変化の余地があるのかとか、どれだけ変化による効果を早期に実感できるのかとか、その要所をつかむことが外から変革をもたらす上で重要になる。

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