保育士の時給〜塾講師との比較〜

あけましておめでとう。週明けから、保育園の短時間の仕事に出る。

盆の真っ只中、命辛々(冗談じゃなくマジで)帰国後、約4ヶ月を心身の回復に費やした。だいぶ元気になり、未来のことも考えるとお金が必要だし、ぼちぼち短時間で働くことにした。

実は12月から、以前アルバイトで勤めていた個人指導塾でお世話になっている。週3コマ程度なので負担は少ない。知っている職場で先生たちも優しいので精神的に余裕があるし、自分の得意分野(英語・教える)を生かせるので悪くない。ただ、それだけでは身入りが少ないので、保育士のパートも始めることにした。

正直、カナダでの仕事を経験した後、子供に関わる仕事にはほとほと疲れてしまっている。イオンとかで騒いでいるイヤイヤ期の子供をただ見てるだけでも疲れてしまう。カナダに移住する前は、10年以上保育所で働いていたにもかかわらず、ここまで疲弊することはなかった。限界までやった証拠なんだろうし、やはり精神的にギリギリの環境だったのだろう。少し不安はあるけど、また現場に出ると違うかもしれない。まあぼちぼちやっていこう。

さて、本題。保育士の時給について。私の塾講師時給と比較してどうなのか。ちなみに日本では公立保育所に13年勤めた。今の塾は前回の日本滞在時に3ヶ月ほど。

こたえは、保育士の方が安い。

国家資格という社会的に認められた専門職であることを考えると安い。私の塾講師としての時給はそのグループ会社の最低、1200円で、他のバイトの大学生たちと同じだ。保育士の時給はそれよりも安い。

国家資格で専門職の保育士の時給は、資格の必要ない学生のバイトより安いのだ。「かなりご経験あるので、広告に出してた時給よりも高くお出ししますね。」って言ってもらい、そうしてもらってるにもかかわらず、だ。

もちろん、大学生は受験勉強を経験してるから、勉強を教える人としては適任で、それで賃金を得ることに何の文句もない。なんなら長いこと学校の勉強から離れてた社会人よりずっと戦力になるかもしれない。彼らが学生バイトとしては比較的割の良い時給で働けるのは当然だ。が、保育士は専門の学校で勉強して資格を取得したスペシャリスト。その仕事は多岐に渡るし、なによりも人間の命を預かっている。保育や保護者対応がその後の子どもたちの人生を左右する可能性だってある。その仕事が、学生のバイトより安い…私はやっぱり虚しくなってしまう。

仕事の対価は自己肯定感とモチベーションを保つのには本当に重要で、それはカナダで痛感した。正当な賃金が保証されていないと、生活の質も低くなるし、メンタルヘルスにかなり影響する。それでは質の良い仕事はできない。

そりゃ保育士辞めちゃうよみんな。同級生とかにも潜在保育士はめちゃくちゃいる。もし保育士の待遇改善がなされないままだったら、私は日本では保育士の仕事をメインでやることは2度とないと思う。ただただ割りに合わないし、悔しい。だったらフルで塾講師やる方が良い。

こういう人はきっとたくさんいる。昔と違って、保育士も四年生大学出て、留学経験あったり英語ができる子も沢山いるようだ。(私らの頃は短大か専門が主流だった。)そういう子たちはどんどん外に出て行くし、能力もあるから別業種に転職したり、保育からさらに専門性を高めて、子どもの福祉や医療現場、例えば言語聴覚士になったりして、別の現場で活躍したりする。優秀な人ほど離れていくのだ。

あとこれは、カナダでも同じ。保育や幼児教育に携わるより、飲食店やファストフードでバイトした方が給料良かったりする。これについてはまたどこかで書くとする。

保育士の給与、今すぐにでも医者や弁護士並みに上げて欲しいところだけど、今の日本じゃ無理そうだよな。でもせめて学生のバイトよりは上げてくれ。そこから少しずつでも改善されれば、少しは希望も見えるのだが。




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