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【絵日記】こんなコロナなご時世ですが#こんコロ2021

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2021年4月25日から、「こんなコロナのご時世ですが2 #こんコロ2 」を連載します。 2020年春、緊急事態宣言発令を受け、mokumoku studioはこの未曾有な時間を…
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【絵日記#こんコロ-DAY139】 耳の穴に水

文 掛田智子 絵 ちから 風呂に入った 久しぶりに耳に水が入っている 風呂の中でぴょんぴょん跳ねてみる だめだ 抜けない 風呂の外でも跳ねてみる 必ずいるのにな 水滴が だめだ まずバスローブを着よう 今もまだ抜けない 片耳がほわんとしている まあいいか 今夜はしごとはないし ほわんとさせとくか 子供の頃は怖かったな 耳や鼻の穴は 自分のものなのに 暗黒の闇

【絵日記#こんコロ-DAY138】 大切な友人の誕生日

文 掛田智子 絵 ちから 大切な友人の誕生日だ 9.9 一度覚えたら忘れない 20代前半で知り合って 振り返ってみるとたくさんの奇跡のあつまりなのだけど すべては当然のごとく自然に起こってきた 夕方から夜中まで飲んで 居酒屋さんを困らせたね それだけ話が尽きないってすごい 周りの人達を笑わせて 気遣いも半端なく素晴らしいけれど どこかで寂しさを抱えている そんな友人はとても魅力的だ これからどんどん年齢を重ねて 人生いろんなことが起きるけれど 一緒にいれたら良い

【絵日記#こんコロ-DAY132】 仲良く喧嘩する

文 掛田智子 絵 ちから 10年以上の付き合いであるが 相変わらずとても仲良く 相変わらず激しく喧嘩をする お互い意見の食い違いがあって議論になるのは良いし 喧嘩も悪くないとおもうのだけど 意見の本流は同じなのに 少しの言葉の定義の違いで 注目する枝葉の違いで 全く反対意見を持っているかのように喧嘩する 平行する議論の中で 何かが違うと感じる 白熱して論じていることの観点がお互いずれている 何年一緒にいても 違う人間で 言葉というとても不安定な道具を使って 分か

【絵日記#こんコロ-DAY130】 夏がまだ残ってる

文 掛田智子 絵 ちから いきなり手のひらを返したような空気に 短パンの私は いや ちょっと待ってちょうだい 私の夏は終わっていないの またうだるような かんかんの太陽が戻ってくるの ついていけない 匂いがまるで まるでまるで 秋 私はまだ夏を楽しみたいの 認めなくないの うだるような 少し動いただけで汗が噴き出るような 夏はまだ残ってる

【絵日記#こんコロ-DAY129】 蝉つまみ出し

文 掛田智子 絵 ちから 今朝中央線に乗っていると 羽音が聞こえた  あたりの人達みな周囲を見回した でもどこにその音の主がいるかわからない 私は読んでいた本にまた目を向けた そのとき 立っている私の前に座っていたおにいちゃんが 隣に座っているおにいちゃんの背中から 蝉を指でつまみ 幸運にもコロナ対策で開けられている窓からその 蝉を逃した 素晴らしい技だった 落ち着きしかも迅速な技だった 本来なら拍手喝采するべき場面だが 日本の朝の電車社会は人と人のつながりをもとめ

【絵日記#こんコロ-DAY128】 夕暮れラン

文 掛田智子 絵 ちから 走ろうか いや疲れているしね 走ろう 暑さも落ち着いた夕暮れ時に走り出す 目標は全くアンビシャスではない ほんの2、3K 折り返し地点の公園まで辿り着き 今度は家に向かう登り坂 止まって初めて汗が身体の奥から流れ出るのを感じる 熱が身体に籠っている 熱を放出するように汗が噴き出る この感覚のために走るのだと思う つまり 不思議と走った後の方が体が軽い 疲労がとれている ほんの少しでも走ることで 身体のあらゆる滞留している物質が攪拌されて

【絵日記#こんコロ-DAY127】 最近は頭皮

文 掛田智子 絵 ちから スカルプマッサージにはまっている この蒸し蒸しもやもやした天気と世の中 頭皮にミントを使用したマッサージ/クレンジングを使用して 頭皮をマッサージしなきゃやってらんないぜ 頭までかちこちにこってるの 人間一枚の皮でつながっているのだから 頭皮をケアする事でリフトアップにもつながる  らしい 今マッサージをし終わってエッセンスを頭皮に置いたまま スースーを楽しんでいる

【絵日記#こんコロ-DAY126】 ピアノが弾きたい

文 掛田智子 絵 ちから ピアノを買うことを検討している 子供の頃に習っていて 高校ぐらいでやめてしまった 大人になっていまとてもピアノがやってみたい 私が子供の頃には候補にならなかった電子ピアノ 集合住宅暮らしにもやさしくボリュームコントロールもできるしヘッドホンで練習できる 鍵盤の重さも調整できる この日常の中に ピアノを弾くということを 組み入れられたら素晴らしい ああ ピアノを買おうよ

【絵日記#こんコロ-DAY125】 洗濯物の美学

文 掛田智子 絵 ちから 洗うはよし 干すはよし 洗濯が好きだ 天気予報をモニタリングし いつ洗濯をするのが最も効果的か 頻繁に 考えている そしてその行為が嫌いではない アメリカの出張者が移動中に聞いた 日本の人々は貧乏だから 乾燥機が買えないから 洗濯物を外に干しているの 怒り狂う思いを抑えながら答えた 我々は 太陽の恩恵を最大限得ているの 最近は数時間で乾く 快感そのものだ  太陽を浴びたタオルに顔を今夜も押し付ける

【絵日記#こんコロ-DAY123】 お父さんお誕生日おめでとう

文 掛田智子 絵 ちから 美大生だったころの父に会ってみたいと思う のっぽさん帽子に ベルボトムのパンツ 晴れの日に傘を差して歩いていた わたしが描く絵とは全く違うテイストだけれど 両者を知る人に言わせると わたしの絵に父のタッチを感じるらしい うすうす私も気づいていた 考え方や性格は違うけれど 私の背骨には父の思考やアイデンティティがしっかりと通っている そこから血管や関節に分岐してわたしになっているけれど  鏡には父が映る時がある 父という膨大な歴史の上にわた

【絵日記#こんコロ-DAY122】 リモート業務における服装についての考察

文 掛田智子 絵 ちから リモートでの仕事が増えると 服選びに困る 一日中座っているならゆるい服がよいし 締めつけない心地よい素材がよいし なにより暑いし かといってゆるすぎると 気持ちがゆるむ きがする 勝って兜の尾を締めるとも言うぐらい 気持ちとアウトフィットは相互関係がある 鏡をふとみた時に よしわたしきょうもかわいい 少しでも思えるように でもゆるいのがいいんだ でもゆるすぎるのはだめなんだ バランスはむずかしい

【絵日記#こんコロ-DAY121】 水出しアイスコーヒーの最高峰

文 掛田智子 絵 ちから 近所に老舗のコーヒー豆屋さんがあって 引越してきてからというものかなりの頻度で通う 今年の夏はおじさんの水出しアイスコーヒーが最高で 10時間かけて一滴一滴丁寧に抽出しているらしく ミルクと割っても最高 氷を入れても全く薄くならない これもかなりの頻度で買いに行ってる 明日から数日定休日なので アイスコーヒーがないと生きていけないので 閉店間際駆け込むと いつもの冷蔵庫に入っていない するとおじさんが 「一本とっておいたよ」と裏から出して

【絵日記#こんコロ-DAY120】 なんにもしないことを全力でした日

文 掛田智子 絵 ちから のび太の名言のひとつである 一生懸命のんびりする なかなかできることじゃないか 今日は二日酔いも手伝って 洗濯はしたものの それ以外はパジャマで 一日中ごろんごろん 二日酔いがなければ 疲れているはずなのに生産性をもとめ きっとじっとしていられなかっただろう 二日酔いを肯定しているのではないが たまには良いか 一日中ごろんごろん

【絵日記#こんコロ-DAY118】 かわいいわたし

文 掛田智子 絵 ちから 何か今日わたし理由もなく美しいじゃん と思う日がたまにある 久しぶりに現場に向かった 久しぶりに人と顔を合わせて仕事をする 昨日の夜はお酒を飲まなかったし 生理もひとやま超えて むくみも落ち着いてきていたし 髪型も特別何かしたわけじゃないけど 今日の顔にあっていたし 服も特別なものを選んでないないのだけど 今日の身体に似合っていたし 肌の調子も良くて 金曜日だし そんな特別ではない日の少しの自分へのきらめきが 結構原動力になる そうやっ